大手調査会社のIHSマークイットは、7月27~28日に国内最多の受講者数を誇るFPD市場総合セミナー「第33回IHSディスプレイ産業フォーラム」を東京コンファレンスセンター・品川(東京都港区)にて開催する。
その注目の講演内容を登壇アナリストに5回にわたって聞く。第1回は「FPD市場総論」を担当するシニアディレクターの謝勤益(デビッド・シェー)氏に話を伺った。
その注目の講演内容を登壇アナリストに5回にわたって聞く。第1回は「FPD市場総論」を担当するシニアディレクターの謝勤益(デビッド・シェー)氏に話を伺った。
―液晶パネル価格が高止まりしていますね。
謝)価格の高止まりでテレビメーカーが購買に慎重になっているため、足元で価格に下落の圧力がかかっているが、大きくは下がらないとみている。当社では、2017年の面積ベースの需要増加率を7%とみているが、パネルメーカーの生産能力は2~3%しか増えないため、全体的にタイト感が継続すると予測している。パネル各社は過去最大の利益を上げる年になるだろう。
―旺盛な増産投資も継続しています。
謝)中国を中心に第6世代(6G)の有機EL、液晶の10.5Gなど新設計画が目白押しで、今後2~3年は製造装置、材料メーカーの好調が続く。なかでも、2017年はアップルiPhoneのフレキシブル有機EL搭載が注目を集めている。17年モデルはサムスンディスプレー(SDC)からの1社購買になるが、LGディスプレー(LGD)が18年モデルをターゲットに量産化を目指している。SDCは生産能力を現状から3倍近くに拡大する投資を進めており、LGDがこれにどこまで迫れるかがカギだ。
―中国企業も有機ELの量産に積極的です。