創業者の早川徳次、佐伯旭、辻晴雄、町田勝彦――。シャープの歴代経営者はいずれも強いリーダーシップの持ち主だったが、片山は際立っていた。液晶技術者としての実力と巧みなプレゼンテーション力を兼ね備え、49歳の若さで社長に就任。「可能なものはすべて液晶に置き換える」という明確な方針を示して社員をぐいぐい引っ張り、テレビ、携帯電話向けと液晶の売り先を開拓していった。その記憶がまだ強く残っているのだろう。
懐古だけならまだいい。問題は片山時代への郷愁が高橋への不満に転じていることだ。「高橋さんは片山さんのように将来の姿を見せてくれない」と。このような社員の思考回路こそ、高橋が社内レターで懸念した「先祖返り」だ。高橋改革の歯車はどこかで狂ってしまったのだろうか。Move to full article
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