タブレット型パソコンは、早ければ2014年に出荷台数ベースで従来型ノートPCを追い抜く可能性があるとの予測が16日、資訊工業策進会産業情報研究所(MIC)より示された。
今月26日発売される新OS(基本ソフト)「ウィンドウズ8(Windows8)」搭載製品によってビジネス用途での利用が拡大し、また、グーグルが第4四半期中に99米ドルの「ネクサス」シリーズの格安機種を発表するとの観測が出ており、こうした低価格化も大きな追い風になりそうだ。17日付経済日報などが報じた。




MICによると、タブレットPCの今年の世界全体の出荷台数は前年比67.1%増の1億2,200万台で、13年は同39.3%増の1億7,000万台、14年には2億1,000万台と2億台の大台を突破する見通しだ。15年には2億4,700万台に達して従来型ノートPCの2億3,400万台を逆転する予測だが、早ければ14年にも追い抜く可能性があるとの見方だ。
 タブレットPCの大幅成長が予測される理由の一つに、ウィンドウズ8搭載機種がシェアを伸ばす可能性が挙げられる。これまでタブレットは「娯楽用」とのイメージが強かったが、施雅茹MICシニアアナリストは、「ワード」「エクセル」などの「オフィスソフト」が搭載されて価格が499?599米ドルに収まれば新たな需要を喚起でき、ウィンドウズ8搭載タブレットは来年、市場シェア1割以上を獲得できると見込む。
 マイクロソフト(MS)が自社ブランドタブレットの「サーフェス(Surface)」を発売することがウィンドウズのブランドPC陣営に打撃を与えるとの観測もあるが、施アナリストは、サーフェスは定価を低めに設定することはなく、PCブランドパートナーへの悪影響を抑えようとするとの見方だ。
 17日付電子時報がサプライチェーンの観測として報じたところによると、グーグルの99米ドルタブレットは既に広達電脳(クアンタ・コンピュータ)が量産しているもようだ。
 同製品は、プロセッサープラットフォームに威盛電子(VIAテクノロジーズ)子会社、威信科電(ワンダーメディア)の「PRIZM WN8950」を使用、CPU(中央演算処理装置)はシングルコアの「Coretex A9」でАRMアーキテクチャを採用して、ディスプレイは瀚宇彩晶(ハンスター)のHVA技術を利用した7インチのTNパネルを搭載するもようだ。さらに、パネルモジュールの組み立てコストを低く抑え、ハードディスクの容量を小さくすることで低価格が実現したとされる。観測が事実であれば、タブレット市場に大きな衝撃を与えそうだ。
一方、従来型ノートPCは今年、不景気に加え、タブレットPC、スマートフォンの普及を受けて、出荷台数が前年比1.1%減の1億9,300万台と初めてマイナス成長に転じる見通しだ。13年はウィンドウズ8の発売によって前年比5.9%増の2億500万台となる予測。今後5年間は同水準を維持し、以前のような2けた成長を取り戻すのは困難とみられる。