2012年10月14日、英紙フィナンシャル・タイムズは「ベルトコンベアから遠ざかる中国の若者」との記事を掲載した。かつては出稼ぎの若者に人気だった製造業の仕事が敬遠され始めているという。環球時報の16日の報道。


農村からの出稼ぎ女性、李(リー)さん(23)は、同年代の多くの出稼ぎ青年と同様に台湾のEMS大手・フォックスコン(富士康)を生活の糧にしている。だが、彼女は生産ラインで働いているわけではない。フォックスコンの工場近くで職業紹介所を営んでいる。「工場に作業員を紹介する方が、生産ラインでアップルの携帯電話を組み立てるよりよほどマシだ」と語る。

中国では李さんのように「工場で働きたくない」と考える若者が増えている。電子部品工場の主力だった若い女性は、沿海部の工場で働くことを嫌がり、代わりにサービス業に集中するようになった。アルバイト情報サイトが実施した調査によれば、調査対象の1万1000人のうち、90%の女性が「サービス業で働きたい」と答えた。

華南地区の工場に勤務するカウンセラーの多くは、「出稼ぎの第一世代にあたる親世代は、自分の仕事と親の職業である農業を比べたが、その子ども世代である今の若者は消費意識が強く、自身の境遇を富裕層と比べる傾向がある」と指摘する。

広東省の玩具工場は人手不足を補うため、これまで60人がかりだった作業を機械化して監視役の2人で済むようにした。年末までに従業員を1万2000人から8500人に減らす計画だ。