友達光電(AUO)は29日、自社開発したIGZO(酸化物半導体、イグゾー)を使った10.1インチタブレット型パソコン用の液晶パネルを既にサンプル出荷しており、来年下半期にも量産すると表明した。65インチ液晶テレビ用のIGZOパネルも早ければ来年下半期に量産する。IGZOパネルはコストを抑制でき、中大型パネルの主流になる見通しだ。これまで世界で唯一生産可能だったシャープの量産が遅れ気味とみられる中、AUOが技術で追い付く意欲を見せた形だ。30日付蘋果日報などが報じた。



 AUOは29日、IGZOを使った10.1インチパネル、65インチ超高解像度4K2K(解像度3,840×2,160)パネルをはじめ、▽極薄1ミリメートルベゼル幅の4.46インチ携帯電話用パネル▽アクティブマトリックス式有機EL(AMOLED)▽広視野角AHVA──など新技術を一挙披露した。
 AUOの10.1インチIGZOパネルは高解像度2,560×1,600を実現した。光透過率は12%に向上、バックライトモジュールが既存のタブレット型PCより60%薄くなり、パネル全体の厚みはわずか1.5ミリで、省エネルギー効果が増した。呉大剛副総経理は、新技術のため顧客による認証に時間がかかり、量産は来年下半期以降との見方を示した。
  呉副総経理はまた、5.5インチ以上はIGZOか独自開発のHyperLCD技術で高解像度を実現するが、スマートフォンはコストより高画質が求められるため、5.5インチ以下はLTPS(低温ポリシリコン)技術を採用すると語った。
  AUOは第6、第8世代工場にIGZO技術を既に導入している。
  AUOは65インチ液晶テレビ用のIGZOパネル量産に先駆け、まず一般の製造工程で65インチ4K2Kパネルを来年第1四半期に量産する予定だ。蔡国新副総経理は、AUOのIGZO技術は自社開発で、他社から技術移転を受けていないため特許の問題もないと強調した。
  蔡副総経理はまた、液晶テレビ市場規模2億2,000万台のうち大型が10%、4K2Kが5%を占め、来年100万?200万台に達するとの予測を示した。一方、高解像度の液晶テレビ価格は一般の2倍で、価格差が1.5倍程度まで縮小しない限り市場に受け入れられないと語った。ただ、AMOLEDの価格差7?8倍と比べると、競争力があるとの見方だ。