日本ゼオンは、生産性に優れる液晶パネル用位相差フィルム「斜め延伸位相差フィルム」の新工場を福井県敦賀市に建設すると発表した。敦賀市産業団地の用地約3万m2に建設し、2014年3月の完成を目指す。既設の富山県氷見市の工場にも付帯設備を導入し、総投資額は約70億円を計画する。

 斜め延伸位相差フィルムは、分子の配列方向を制御することで、偏光板との張り合わせを連続的に行う「ロールツーロール貼り合わせ」が可能。



これまでは主に中小型液晶製品向けの視野角改善や光反射防止フィルムとして採用されているという。3次元液晶テレビの画像認識改善用フィルムや有機ELの光反射防止フィルムとしての採用も広がっている。今後も中小型液晶向けの需要の拡大が見込まれることから設備の増強を決めた。

 建設予定地の選定に当たっては、事業継続計画(BCP)の観点から、既設工場がある富山県を外して検討してきた中で、福井県・敦賀市の熱心な誘致活動および、主要ユーザーや富山県にある同社拠点との利便性などを考慮した。現在、斜め延伸位相差フィルムの生産設備は、富山県の高岡市と氷見市の2工場合計で1500万m2/年の生産能力を有している。

Recognition
名詞: recognition, cognition, cognizance