2012年の偏光板市場は、面積ベースでは成長を続けているものの、金額ベースでは前年を下回る規模になる見通しである。
市場成長が鈍化する中で、偏光板分野でも付加価値の高いモバイルディスプレイ向けの偏光板に注目が集まっている。日系偏光板メーカーは、収益の柱にするべく高精細モバイル向け偏光板の生産性改善に取り組んでいる。一方、単価の下落が続くTV用偏光板に対しては、2013年までにコスト競争力が高い新型フィルムを開発し、市場投入を進める構えである。



2011年下期以降、偏光板メーカーが大規模な設備投資を控えていることから需給環境は改善しており、足元の偏光板需給バランスはほぼ均衡した状態が続いている。そのため、偏光板メーカーが高精細モバイル向け偏光板に注力すると、TV向けの供給能力が不足することが予測される。特に中国市場では、2013年以降TV用偏光板の供給関係が大きく変わる可能性がある。
2013年の偏光板市場は、需給バランスと新構成偏光板の投入という2つの観点から、日系偏光板メーカーの戦略が市場に大きな影響を与えると予測される。