発光ダイオード(LED)エピタキシャルウエハー・チップメーカー、フォルモサ・エピタキシー(台湾)は13日、中国の同業最大手、三安光電から19.9%の出資を受け入れることで同社と提携契約を結んだ。台湾ハイテクメーカーの本社が中国企業からの出資を受け入れる初のケースとなる。?円光電は水平統合による中国市場での販路拡大を期待するが、同業大手からは技術流出への懸念から「台湾業界にとってマイナスで、台湾企業と垂直統合を図るべきだった」との批判も出ている。
13日付工商時報などが報じた。
報道によると、三安光電はフォルモサ・エピタキシーの第三者割当増資を1株19.6台湾元で1億2,000万株引き受け、23億5,200万元(約64億円)を出資する。これにより、昨年15%を出資した三井物産を抜いてフォルモサ・エピタキシーの最大法人株主に踊り出る。



経済部投資審議委員会(投審会)の張銘斌執行秘書長によると、LEDは中国資本による出資の際、専門小委員会の審査を受ける必要があるセンシティブ品目(重要品目)に含まれており、審査には1~2カ月かかる見通しだ。同時に、三安光電の出資比率では経営権を握るわけではないので、審査を通過する可能性は極めて高いとの見方を示した。

フォルモサ・エピタキシーは有機金属気相エピタキシー(MOCVD)装置を58台保有しており、今後の調達と傘下企業分を合計して100台までの拡大を計画している。それに三安光電の140~150台を合わせれば、台湾最大手の晶元光電(エピスター)に匹敵する規模となる。

フォルモサ・エピタキシーの傅珍珍広報担当経理は、三安光電との提携は、今後の世界市場での販売、経営規模、受注能力の拡大にプラスに働くと説明。特に、現段階で中国市場の売上比率は10%にすぎないが、中国政府の支援を受ける三安光電と組めば、市場開拓に有利だと期待感を示した。このほか、水平統合による生産能力の拡大は、自社単独での投資よりもスピードが速いこともメリットに挙げた。

LED市場は、中国メーカーによる中・低価格帯製品の過剰生産で価格競争が激化し、台湾業界は大きな打撃を受けた。台湾メーカーにとって中国メーカーとの提携は、短期的には価格競争の圧力を和らげる効果がある。しかし長期的には、中国にハイエンド分野での技術力で追い付かれれば競争力を失いかねないと指摘されている。

LEDパッケージング(封止)最大手、億光電子工業(エバーライト・エレクトロニクス)の葉寅夫董事長は、?円光電に対し「なぜ台湾の同業と組まなかったのか」と訴えた。台湾LED産業は技術面では世界トップレベルで、研究開発(R&D)力も含めて長期的競争力を保っているにもかかわらず、今回の提携は台湾LED産業をリスクにさらすものだと憤った。その上で、政府からの支援や、台湾人材の引き抜きなどで成長を続けている中国に3年後には追い抜かれる恐れがあるIC設計業界を例に挙げて、「このままでは同じ道をたどることになる」と警鐘を鳴らした。
Mae