中国のレアアース(希土類)最大手、内蒙古包鋼稀土高科技は22日、一部工場の稼働停止期間を1カ月延長すると発表した。同社はレアアースの需要急減で、10月23日から1カ月間の予定で中国南部のレアアース産地、江西省の2工場で生産を停止していた。供給過剰感が解消されないため、生産調整を続ける。

 稼働を止めているのはハイブリッド車用の高性能モーターなどに使うレアアースの精製・加工工場。包鋼稀土は価格急落で7~9月期に前年同期比で売上高が5割超、純利益は9割減った。



 中国当局は2010年の沖縄県・尖閣諸島を巡る日中対立の際に、世界供給量の大半を占めていた中国産レアアースを経済制裁カードに使った経緯がある。対日輸出の停止で、大口需要家である日本企業が代替品の開発を急ぎ、中国産レアアース需要は急減した。