タッチパネル需要と共に拡大するカバーガラス市場では、Corningの化学強化ガラスである「Gorilla」が実質上の標準品となっている。Gorillaガラスは、iPhoneシリーズに採用されたのを皮切りに、Samsung Electronicsなどトップ・メーカーのスマートフォンに採用が広がり、スマートフォン市場で圧倒的なシェアを占めている。また、Gorillaガラスはタブレット市場においても大半を占めている。
モバイルディスプレイ向けで高いシェアを誇るGorillaガラスであるが、PC向けではタッチパネル用カバーガラスに薄さや強度を求めず、安価で厚手のソーダライムを採用するケースが多い。ノートPC向けではGorillaガラスを採用するケースがあるが、PCモニターやAIO(All in One PC)など据置型ではソーダライムガラスの採用比率が高く、PC市場全体ではソーダライムガラスの採用が過半数を占める。



また、成長が期待されるカバーガラス市場には、新規参入が相次いでいる。旭硝子が2011年に化学強化ガラス「Dragon Trail」を上市、以降SCHOTT AGやセントラル硝子なども参入を果たしている。タッチパネル需要の急拡大によりCorningのGorillaガラスは供給不足傾向にあり、Dragon Trailなど新規参入製品もカバー一体型タッチパネルの需要拡大により供給が急増している。
タッチパネルの大型化、技術の多様化によって、カバーガラスに対するニーズも多様化している。また需要の急拡大により、カバーガラス市場は参入メーカーが増加しており、今後はシェアの分散化が進む見通しである。