シャープが台湾・鴻海(ホンハイ)精密工業と交渉している中国・南京市の大型液晶テレビモジュール・組立工場の売却計画が白紙に戻る。売却価格など諸条件で折り合いがつかなかった模様だ。シャープは南京、メキシコ、マレーシアの薄型テレビ工場を売却する方針を、金融機関に提出した経営再建計画に盛り込んでいる。南京工場の売却が実現しない場合、自社活用を含めて別の手段を模索する。



 南京工場には1500人規模の従業員が勤務していると見られ、鴻海との交渉が決裂すると、他社への売却や縮小も検討対象になる。関係筋によるとマレーシア工場の売却交渉も進展しておらず、北米向けテレビを組み立てているメキシコ工場については合意する可能性が残されている。シャープは3月に鴻海と資本・業務提携を締結。