EMS(電子機器受託生産サービス)世界最大手、鴻海精密工業傘下の3C(コンピューター、通信、家電)製品販売店、賽博数碼広場(サイバーマート)は17日、3C製品だけでなく、流行ファッション、スキンケア用品などを取り扱い、レストランやスポーツジムまで備える「サイバープラザ」を7月に台南市でオープンすると発表した。サイバーマートの販売充実は、郭台銘董事長が昨年宣言した(製造から)商業方面への多角化戦略に基づく。18日付中国時報などが報じた。
「サイバープラザ」の1号店は、誠品書店(eslite Bookstore)台南店の旧店舗跡に設置する。書店チェーン台湾最大手、誠品書店の執行副総経理だった廖美立氏を引き入れた鴻海は、3C製品販売だけでは不十分と考え、消費者にショッピングと娯楽を提供する新コンセプトを打ち出した。
 営業面積2,000坪近い超大型店「サイバープラザ」にブランド認知度向上の役割を託し、年内に30店まで店舗網を拡大する計画だ。既存の体験型大型店「サイバー3C+」の25店を上回る規模となる。



 「サイバープラザ」と「サイバー3C+」は台湾の主要な都市に設置していき、その後モバイル通信機器販売・サービスの中小型店舗「サイバーモバイル」で地域に入り込む計画だ。この過程で、勢力を弱めつつある小型の通信製品販売店と提携して、販売網構築のスピードアップを図る可能性もある。
 厳文宏サイバーマート販売事業群執行長は、昨年4月の台湾市場進出後、プレオープンを経て6月に営業を開始し、通年で3億台湾元(約9億3,000万円)を売り上げたと述べた。ただ店舗数は当初計画の20?25店に届いておらず、今後半年の出店交渉で店舗網拡大を加速させると説明した。
 「サイバー3C+」は1店舗当たりの売上高が月1,000万元を超え、「サイバーモバイル」は500万?600万元だ。2013年の売上高は出店拡大で30億元に上る予測だ。
 一方、独メトロはこのほど、鴻海と合弁で中国で展開する3C製品販売店、「万得城電器(メディア・マクルト)」の業務を打ち切ると発表した。鴻海と今後の対応を協議しており、数週間以内に結論が出る見通しだ。閉店または投資パートナーを模索する選択肢がある。中国企業数社が投資に意欲を示し、交渉が複数回行われたようだ。
 鴻海は17日、合弁相手メトロの中国市場撤退の選択を残念に思うとコメントした。「メディア・マクルト」は鴻海が25%、メトロが75%出資している。鴻海の製造から販売への重要な一歩として、上海で1号店をオープンした10年、郭董事長は15年までに100店まで増やすと豪語していた。しかし上海に7店設置したものの、利益が想定したほど出なかった。