スマートフォンやタブレットPCの普及でスマートモバイル時代が到来した。従来の携帯電話は通信機能に特化していたが、スマートモバイル機器の性能はノートPCに近く、無線での高度作業や余暇を楽しめる様になった。これに伴い、ディスプレイ性能の重要性は更に強調され、特に、モバイル機器の屋外視認性への要求が高まっている。高性能ディスプレイはディスプレイの高価販売メリットよりも、ユーザーの健康と効率性確保 メリットが大きい。情報が競争力となっている 今では、いつでもどこでも情報を簡単に得られる高性能ディスプレイは現代社会の発展に貢献していると言えよう。
 そこで、タッチパネルとディスプレイ(LCD、OLED)の間のエアギャップ(air gap)を充填して視認性向上を図ることは多用なメリットがある。現在、ミドルエンド級以上のスマートフォンはダイレクトボンディング(フルラミネ-ション)でエアギャップを除いた製品が市場の中心だった。



タブレットPC分野では未だダイレクトボンディングが一般化されていないが、ダイレクトボンディング製品の割合が徐々に増加してきている。しかし、技術確保とキャパが不十分のため、歩留り率が低くボンディングコストが高いことから、一般化には時間が掛りそうだ。しかし、エアギャップをOCAやOCRで充填すれば 屋外での視認性だけでなく、視認性全般の向上効果が大きく、ディスプレイの性能向上に繋がり、製品全体のイメージアップに大きな影響を与える。このことから、ハイエンド製品を中心にダイレクトボンディングが導入され、その割合は更に継続していくものと予想する。
Windows 8の導入に伴い、ノートPCやオールインワンPCでもタッチ機能の採用製品が増えている。
タッチ機能がマウスやキーボードの全てを代替するのは時期尚早だが、タッチ機能による便利な機能があり、この機能に焦点を絞って特化したアプリは増加すると考えられる。既存の入力装置とタッチ機能は相互補完的に使われると見られる。未だ導入初期段階で、ハイエンドのウルトラブック製品の一部に採用されるのみだが、徐々にミ ルエンド製品にもタッチ機能が採用されるのは確 だ。この大面積製品でのタッチパネル導入は、OCAとOCR市場の成長に作用し、タッチパネル市場は高成長を持続すると考えられる。
一方で、タッチレイヤー構造が簡素化することはOCA/OCR市場の成長を楽観できない理由になっている。
最も理想的な構造といえるインセルタッチ技術や、 G2 タッチ技術は別のタッチセンサーがないため、理論的にただ1枚の接合層を持つことになる。
しかし、実際には多くの接合があり、この理想的なタッチ構造でも一層以上の接合層が存在することが一般的だ。そので、このタッチレイヤー構造の簡素化傾向だけを見て、OCA市場とOCR市場の成長に歯止めがかかると見るのは早計だ。需要は大型化とエアギャップのダイレクトボンディングをベースに、継続的加と見られるが、! 、むしろ過剰競争による値下がりは市場成長の障害となる。今年の市場規模は7億7,100万ドル、2014年には9億ドルを上回ると予測される。

* OCA: Optically Clear Adhesive (= TAF: Transparent Adhesive Film = OTT: Optical Transfer Tape)
* OCR: Optically Clear Resin (= LOCA: Liquid OCA = OR = OPR: Optical Resin)