龍谷大学は全国初となる地域貢献型スキームのメガソーラー発電所「龍谷ソーラーパーク」を設置すると発表した。設置場所は同大学深草キャンパス(京都府)および和歌山県印南町の町有地などで、京セラ製の高出力多結晶Si太陽電池を約7500枚設置する。発電能力は約1850kW、年間発電電力量は約190万kWh。総事業費は7億円。




今回の事業にかかわるのは龍谷大学、京セラソーラーコーポレーション、トランスバリュー信託、PLUS SOCIAL、和歌山県印南市だ。事業の原資は龍谷大学が「社会的責任投資(Socially Responsible Investment:SRI)」という形で出資する。社会的責任投資とは、一般的な投資のように投資先の収益見込みや財務状況だけで投資先を決めるものではなく、投資先の社会的貢献度なども加味して投資することを指す。社会的責任投資の出資者は、出資者の立場から出資先に社会的貢献を働きかけることができる。 龍谷大学はトランスバリュー信託に社会的責任投資という形で出資する。その資金を元に、トランスバリュー信託とPLUS SOCIALは信託事業体を作り。この信託事業体が太陽光発電所「龍谷ソーラーパーク」の建設、運営を担当する。信託事業体はPLUS SOCIALからも出資を受けるほか、必要に応じて金融機関から融資を受ける。印南町は印南港そばの私有地を貸し出すという形で事業に協力し、京セラソーラーコーポレーションは京セラ製の多結晶シリコン太陽光発電パネルをおよそ7500枚供給するほか、龍谷ソーラーパークの太陽光発電システムの設計、施工、保守管理を担当する。

 太陽光発電システムの設置カ所は3カ所。印南港そばの町有地、印南町内にPLUS SOCIALが保有する土地、龍谷大学の校舎の屋上だ。印南町の町有地には最大出力1.2MW(1200kW)の太陽光発電システムを設置し、PLUS SOCIALの保有地には最大出力600kWのシステムを、龍谷大学の校舎屋上には50kWのシステムを設置する。合計出力はおよそ1.85MW(1850kW)になる。

資金を集めた信託事業体は太陽光発電システムが発電した電力を全量関西電力に売電し、その収入を配当という形でトランスバリュー信託とPLUS SOCIALに提供する。トランスバリュー信託は回収した配当の一部を龍谷大学に戻し、PLUS SOCIALは配当の一部を京都、和歌山の地域団体に寄付する。地域団体は社会福祉施設や学校、幼稚園などの建設運営の助成のために寄付金を提供する。そのほかにも、龍谷大学は中学生や高校生に向けた太陽光発電に関する講演会を企画する。講師は京セラソーラーコーポレーションが派遣する。

 今後は2013年2月に経済産業省の設備認定と関西電力との連携協議を済ませ、関係団体の協定を締結する。建設工事は5月に開始し、6月に完了する。発電所の稼働開始は7月の予定だ。

 これまでのメガソーラー計画は企業の遊休地を利用し、収益を上げることを狙ったものが多かったが、社会的責任投資という形で資金を調達し、売電収入を地域に還元することをはっきり謳ったものは少ない。社会的責任投資は、企業のCSR(Corporate Social Responsibility)活動促進にも大きく役立つという。今後、このような形の投資が増えることを期待したい。