タブレットとノートPCの間に存在するスマート・デバイスとして注目されているのが、「ハイブリットPC(Hybrid PC)」である。
ハイブリットPCとは、トランスフォーム(変形)するPCであり、① デタッチャブル(detachable)型;キーボードとディスプレイ部分を切り離してディスプレイ部分がタブレットになる製品、② コンバーチブル型;クラムシェル製品のディスプレイ部分が回転もしくはスライドしてスレート状に変形する製品、に大別される。
また、広義では ③ ジャケット装着型;タブレットにキーボード機能などを有したジャケットを装着する製品、が含まれるケースがある。



①のデタッチャブル型は、CPUの性能はあまり高くないが、その分価格帯、重量などをタブレットに近いスペックに抑えており、ライトユーザー向けの製品と言えよう。一方、②のコンバーチブル型は、スクリーンサイズが大きめで性能が高い分、重量が1㎏を超え、価格も10万円を超える製品が主流となっている。
デタッチャブル型はタブレットの使い勝手とキーボードの利便性を併せ持つ製品であるのに対して、コンバーチブル型はPCの使い勝手をベースに、タブレットの機能が併用できるという点を売りにしている。
注目されるのは③のジャケット装着型であり、HPがElitePad向けに入力端子やキーボード、バッテリなど有した’Smart Jackets’という拡張ジャケットを提案している。タブレットにキーボード付ジャケットを装着するMicrosoftのSurfaceは、このカテゴリに含まれるという見解もある。
このように、タブレットの侵食からPC市場を守ろうとする目的で、昨年後半からハイブリットPCの製品投入が相次いでいる。Windows8の導入やIntelの戦略により、PCのタッチパネル搭載を標準化させようという動きがあることから、ハイブリットPC市場が活性化することが期待されている。