2011年のPVA 保護フィルム市場は面積ベースで7億4千万m2となり、今年は8億m2以上になると予測される。ベースフィルム別に分類すると、TACフィルムが7億5千万m2 (91%)で最も占有率が高く、COPフィルムが4千万m2 (5%)、アクリルフィルムが2千4百万m2 (3%)になると予想される。
金額ベースでは、今年のTN用補償フィルム・ワイドビュー市場 縮小や、フィルムメーカーの競争による価格下 のため、去年3,310億円の市場より若干減少した3,260億円 の市場を形成すると予測される。このうち、TACフィルムが約3,000億円規模を占めると見られる。



今年はPVAとPVA関連のフィルム陣営に大きな変化が起こると見られる。特に各メーカーがPVA-less、TAC-less実現の取り組みを推進させている。これは、LCD史上でも、フィルム開発や新たなフィルム/構成が最も活発な時期にあると言える。
特に様々な組み合わせの偏光板が登場しており、薄型ソリューションに関するニーズも従来以上に高まっている。この背景には ①材料費の削減、 ②タブレットPC/スマートフォンの登場、③富士フイルム独占からの回避などのニーズが挙げられる。特に、タブレットPC/スマートフォンの登場、つまり、アップルの影響が大きか た。単一アイテムとして大きな市場を有する、アップル製品への偏光板供給のため、様々なフィルムが開発され、様々な技術が採用され、研究段階で蓄積された技術が表に出てきたと考えられる。
また、ハイエンドTVでもこのような動きがあり、今後のTV市場にも大きな影響を与えると予想される。

このような状況下、アクリルフィルムの採用やPVAフィルムの厚さをより薄くする技術などへの様々な取り組みが工夫されている。そこで、アクリルフィルムの採用見通しと、この市場の成長性に業界の関心が集まっている。
アク ルフィルムはIPS用偏光板の補償フィルム用途として 採用されてきたが、最近は従来のプレーンTAC市場も代替しはじめた。
既にタブレットPCなど中小型アプリケーションでは、早ければ来年からアクリルに表面処理を施す方式が登場すると見られ、TVへの採用も含んだ場合、2014年からアクリルの採用割合は急成長すると予測される。
さらに、偏光板業界の三強である日東電工、住友化学、LG化学は独自的のアクリルフィルム生産技術を持っており、住友化学とLG化学はアクリル樹脂生産技術も確保していることから、既存のTACフィルムを使うよりも価格競争力がある。
もちろん、従来からTACを使ってきて、生産能力、価格、ノウハウ面でTACの長所は明確になっているため、アクリル陣営として如何なる方法でTAC市場を侵食できるのか、今年が最も重要な一年になるとみられる。