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フィンランドの携帯電話メーカー、ノキアは、携帯電話見本市「モバイル・ワールド・コングレス(MWC)」で、1億台以上を売り上げた低価格端末「ノキア1280」の後継機として、15ユーロの「ノキア105」を今四半期に発売すると発表した。
シェアを落としている低価格市場での存在感を高める狙いだ。
IDCのリサーチ・ディレクター、フランシスコ・ジェロニモ氏は、ノキア105について、主要ブランドでは世界で最も安い機種になるのではないかとの見方を示した。
このほか、インターネットへのアクセスが可能な65ユーロの携帯や、スマートフォン(多機能携帯電話)「ルミア」の廉価版も発表。新興国市場での売り上げ増を目指す。



スティーブン・エロップ最高経営責任者(CEO)は「特に中国といった国において、競争へのアプローチの鍵となるものだ」と指摘。「それぞれの価格帯で差別化を図らなくてはならないと考えている」と述べた。

「ノキア105」の投入は、携帯電話市場で一時は圧倒的な優位を誇っていたノキアが、華為技術(ファーウェイ)HWT.ULや中興通訊(ZTE)など、アジアの競合から苦戦を強いられている構図を浮き彫りにした。

ノキアの2012年の従来型携帯電話の販売は約20%減の94億ユーロだった。

前出のジェロニモ氏は、ノキアによる低価格機種の販売によって「中国の携帯電話メーカーへの圧力が高まるだろう」との見通しを示した。