液晶パネル大手の群創光電(イノラックス、旧奇美電子)は26日、2012年第4四半期の業績を発表し、営業利益が31億3,800万台湾元(約97億円)で10四半期ぶりに黒字に転じた。通年の純損失は292億7,000万元と11年の644億4,000万元から大幅に縮小した。今年第1四半期も営業利益は引き続き拡大が見込まれており、長らく続いた赤字体質からの脱却に希望が持てる。27日付工商時報が報じた。
 第4四半期は営業利益を計上できたものの、米通信大手AT&Tへの和解金支払いや、反トラスト法(独占禁止法)違反での罰金など営業外損失が63億8,900万元に上るため、依然純損失32億1,900万元を計上した。
 なお、連結売上高は1,296億元で前期から横ばいだった。同社は、今年第1四半期は前期比10%以内の減収ながら、前年同期比では20%以上の増収を見込んでいる。



 第4四半期の出荷枚数は、大型パネルが前期比5.5%減の3,844万8,000枚、中小型パネルが前期比8.5%増の1億1,419万枚だった。
 昨年39、50インチパネルを推進、サイズの差別化で成果を挙げた同社は今年、超高解像度4K2K(解像度3,840×2,160)で攻勢をかける。王志超イノラックス総経理は、4K2K搭載の液晶テレビ市場を好感し、ハイエンドの大型製品(39~65インチ)だけでなく、より小さな各種サイズに普及させたいと意気込みを語った。昨年10月から中国液晶テレビメーカーと共同で4K2K搭載製品の製造を開始し、今年1月から量産。中国の労働節(メーデー、5月1日)連休中には出荷台数が大幅に拡大する見通しだ。アクティブマトリックス式有機EL(AMOLED)パネルでは韓国勢に大きく遅れをとった同社だが、4K2Kに大きな自信を抱いている。
 このほか、中国の国慶節(建国記念日、10月1日)連休に新たな差別化戦略を発表する予定だ。
 生産能力については、今年は第5世代工場1基分に当たる220万平方メートル(前年比7%)増の3,300万平方メートルに拡大させる。今年下半期は需要増が見込めるため、第1四半期の設備稼働率は前期の95%に続き93~96%を維持。供給不足に備える。

 また、世界全体で供給不足が続いているタッチパネルでは、台湾での一貫生産を進めている。液晶パネル第4.5世代生産ライン2本、および第5世代生産ラインの一部をタッチセンサーパネルに充てる予定だ。第2四半期にはタッチパネルモジュールの生産能力が倍増し、タッチパネル関連の今年通年の売上高は2けた成長を見込む。

 このほか▽広視野角のIPS方式液晶パネル▽IGZO(酸化物半導体、イグゾー)液晶パネル▽AMOLED──などの新技術を合わせ、今年の設備投資額は前年比17.6%増の約200億元を予定している。