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サムソンのシャープへの出資に関し、フォックスコンに対しパブリック発表前にシャープから事前に通知があったとDigiTimes(台湾)は報道した。
フォックスコンはシャープが二社間の関係を尊重することについて謝意を伝えたとしている。
シャープは独立した会社であり、フォックスコンはコメントする立場に無いとしたが、シャープとのSIO International Holdings Limited(SIO)~堺ディスプレイプロダクト(SDP)間の液晶パネルを通じたビジネスはスムーズに進み大きな実を結んでおり、今後のさらなる二者間の協力関係構築も交渉中であるとしている。

[行間解説]
好意的な文面で書いているものの、記事内ではシャープのことをJapan Vendorと呼んでおり、いかにもフォックスコンと提携関係(従属関係)にあるかのようなニュアンスが伝わり、台湾の底流にあった思いが伝わってきます。

まずパブリック発表前の通知については微妙な問題を含んでいると思います。
社内情報を公表前に他に漏らしていたとしたらインサイダー疑惑が発生します。
特に今回は増資がらみであり、この記事が事実であれば違法ではないでしょうか?ちなみにサムソンのシャープへの出資に関しては、シャープ発表の前日から日経新聞がスクープしており、翌朝の同社株価は急騰していました。

通知は発表よりもどのくらい前だったのか、通知内容にどのくらい具体性があったのか?、この記事からはわかりませんが、別筋の情報によると5日に堺市で郭台銘総裁と奥田隆司社長、片山幹雄会長のトップ会談が予定されていたのですがキャンセルされたといいます。事実であれば、この会談前に郭総裁に情報が伝わりキャンセルに至ったのでしょうか?



「サムスンへの対抗が目的で、経営に参画したい」と明言しつつ、約1年にわたってシャープとの提携交渉を続けてきた鴻海科技集団(フォックスコン)の郭台銘総裁にとって、想定外の衝撃になったと思われます。
シャープの高度な技術を利用して液晶パネル商機を開拓し、アップルの協力メーカーとしての地歩をさらに固めてサムスンに対抗するという鴻海の「連日抗韓(日本と連合して韓国に対抗する)」構想は見直しが必至となりました。
 シャープとしては、クアルコムをはじめ、世界の複数の大手IT企業から出資を受けて、現状の経営権を保持しつつ会社再建を目指すという戦略に沿ったものなのでしょう。郭総裁のシャープ経営参画の希望に明確に「ノー」を突き付けた形で、いまやシャープと鴻海の資本提携がまとまる可能性はゼロになったと思います。

最後に台湾への影響ですが、7日付経済日報によると、AUOはサムスンからの受注比率が高く、今後サムスンがシャープからの調達を進めれば、受注減は避けられないと証券会社は指摘しています。
鴻海傘下の大手液晶パネルメーカー、群創光電(イノラックス)の段行建董事長兼執行長は昨年12月、SDPと提携する可能性を示唆していました。
部品調達などで「脱サムスン化」を図るアップルの受注獲得を目指していたとみられますが先行きは不透明になったと言えます。

この事態を招いたのは、シャープの株価急落につけこんで、より有利な条件で経営参画を目論んだ郭台銘総裁と指導と称して援護射撃を撃った台湾当局の驕りでしょう。セット販売の量販店の閉店もありフォックスコンの経営は一気に黄色信号が点灯しました。SDPの大型パネルを引き取りどのように売りさばくのか? 大きな懸念が残ります。

今回の事態で一番得をしたのは三星、シャープとフォックスコンの分断をたったの100億円で成し遂げた抜け目のない凄味のある交渉結果でした。液晶パネル調達を確保しただけでなく、シャープの持つIGZO(酸化物半導体、イグゾー)液晶パネル技術を学ぶ機会も得られ、S-Displayでのソニー技術吸い取りのような二匹目のどじょうも狙う好位置につけました。

[解説]
SIO(SIO International Holdings Limited)はSDP(堺ディスプレイプロダクト)の37.61%の株を保有する筆頭株主。シャープも同数の株を保有している。SIOは鴻海精密工業代表の郭台銘氏がSDP株取得のために設立した会社である。なおSDPの旧名もシャープディスプレイプロダクトと短縮名はSDPと同じであるた
め混乱しやすい。

(元記事)  Foxconn notified of Samsung investment in Sharp in advance
Taiwan-based EMS provider Foxconn Electronics (Hon Hai Precision Industry), in response to Samsung Electronics' investment of JPY10 billion (US$107 million) to acquire a stake of about 3% in Sharp, has indicated that the Japan vendor had notified it of the investment before making the announcement. Foxconn said it appreciates Sharp's respect for the relation between the two companies.
As Sharp is an independent company, Foxconn said it has no right to comment on Samsung's investment. The cooperation between Foxconn and Sharp in SIO/SDP display panel business has been going smoothly with significant fruition, and Foxconn will continue negotiation with Sharp about further cooperation, Foxconn said.