国家電大手、TCL集団(広東省)の李東生董事長は11日、「液晶パネル事業で日本企業と協力したい」と述べ、同事業の採算改善を急ぐ日本メーカーと共同でパネル工場の新設などを探りたい考えを示した。中国国内と海外新興市場で販売が急増する液晶テレビについては「米国でも3年前後でシェア5%を目指したい」と語った。
全国人民代表大会(全人代、国会に相当)に代表として出席中の北京市で日本経済新聞などの取材に語った。同社は液晶テレビの販売が2012年に前年比43%増(台数ベース)と好調。調査会社ディスプレイサーチのデータによると、同年の出荷台数は東芝とパナソニック、シャープを抜き、中国メーカーでは最高の世界4位となった。 


 李氏は液晶パネル事業について「日本と中国のメーカーの生産規模は韓国と台湾に比べ小さい」と指摘。韓国のサムスン電子や台湾の群創光電(旧奇美電子)との差を縮めるためには日中メーカー間の協力が有効との見方を示し「共同で工場を建設するのも選択肢の一つだ」と語った。

 「日本企業は技術力が高く、中国企業には(コストの低さなど)生産効率の優位性がある」と相互補完関係にあることも強調。日中関係が悪化し、両国企業の提携など経済面でも悪影響が出ていることには「両国は経済全体でも補完関係が強く、長期化はしない」との見方を示した。

 同社は11年8月に第8.5世代と呼ぶ液晶パネルの新鋭工場を稼働。同工場はサムスン電子の出資を受け、同社や中国テレビメーカーにパネルを供給している。李氏は「日本メーカーとの間でも供給に向けて協議している」と明らかにした。

 中国ではサムスンや中国の京東方科技集団(BOE、北京市)など各社の新工場建設計画が相次ぎ、パネルの供給過剰懸念が強まっている。李氏は13年中に供給過剰に陥る可能性を否定しつつ「14年以降は世界の需給動向を見る必要がある」と増産投資は慎重に検討する考えを示した。

 シャープがサムスンからの出資受け入れを発表したことに関しては「競争激化でメーカー間の協力を探る動きは増えていくだろう」と語った。

 TCLは12年の出荷台数での世界シェアは5.8%で、首位のサムスン(20.0%)、2位の韓国LG電子(13.1%)との差はまだ大きい。中国など新興市場に加え、米欧など先進国での販売も拡大することで引き続きシェア上昇を狙う。

 米国ではブランド力を高めるため、1月にハリウッドの観光名所にもなっている映画館の命名権を取得。李氏は米国でのシェア目標について「黒字化には5%が必要だ」と語った。ディスプレイサーチの調査では、カナダを加えた北米での12年のTCLの出荷台数シェアは0.5%だった。