シャープは14日、経営再建策に盛り込んでいる液晶テレビのメキシコ工場の売却計画が難航していることを明らかにした。固定費圧縮の一環で、台湾・鴻海精密工業と交渉を進め、最終調整に入っていたが、諸条件が折り合わず、2012年度内の売却を断念する方針。100億円超と見られていたメキシコ工場の売却が実現しない場合、別の手段を講じる必要に迫られる。
 鴻海は26日を期限とするシャープへの出資や、中国・南京市の液晶テレビ工場の買収も見送る見込みで、両社の資本・業務提携は堺工場(堺市堺区)の共同運営、スマートフォン(多機能携帯電話)の開発にとどまることになりそうだ。
 ただ、シャープは取得価格を一株550円とする鴻海との出資条件を据え置いた上で、交渉を継続する可能性がある。