シャープは液晶テレビの組み立てと同モジュール生産を行うポーランド工場を売却する方向で、投資ファンドなど複数企業と交渉に入った。シャープの欧州の液晶テレビ販売は年100万台規模にとどまっており、工場や販売網を維持する負担も重い。不採算モデルや販売地域の絞り込みなど事業規模を大幅縮小し、収益改善を進める。工場売却が実現すると、液晶テレビ事業の構造改革が前進する。
 2012年策定した経営再建策には、メキシコ、中国・南京市、マレーシアの液晶テレビ組立工場の売却を盛り込んでおり、新たにポーランド工場を加えた格好だ。このうちメキシコ工場の売却交渉は難航しているという。
 シャープの12年度の欧州液晶テレビ販売台数は、前年度に比べて3割程度落ち込む見通し。07年に液晶テレビ用モジュールの生産を始めたポーランド工場を拠点に、欧州で販売を拡大する計画だったが、景気低迷などの影響で伸び悩み、構造改革が不可欠だった。