DigiTimeによると、ソニーが4月に発表するUltra HD対応の55/65型LCD-TV「XBR-55X900A/XBR-5X900A4K」はパネルが台湾AU Optronics(AUO)製という。TV価格が高価なのはパネルコストによるところが大きく、現在はフルHD対応TV用パネルの約2倍となっているが、2013年末までに1.3~1.5倍に下がる見通し。同製品の価格は55型が4999.99ドル、65型が6999.99ドルの見込みという。

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ソニーの今村昌志・業務執行役員(ホームエンタテインメント&サウンド事業本部長)は11日、液晶テレビの新製品発表会で、2013年度の液晶テレビ事業の黒字化は「達成する自信がある」と述べた。

12年度に実施した固定費削減効果が効いてくることに加え、販売台数の増加も図るという。同事業が黒字化すれば10年ぶりとなる。

9期連続で赤字になる12年度の液晶テレビ事業の損失見通しは、前年同期比半減の800億円。今村氏は「赤字半減は達成できた」と述べた。12年度の液晶テレビの販売台数計画の1350万台(前年同期は1960万台)も達成できたという。

12年度の液晶テレビ事業の赤字半減は、人員など固定費削減とともに液晶パネルの調達コストの削減が中心で、今期はその効果が出てくるという。商品発表会後、記者団の取材に応じた今村氏は、人員削減は12年度で「一定の区切りがついた」と述べた。

13年度の同事業の黒字化は、これらコスト削減効果に加えて「商品力強化で目指していく」考えという。液晶テレビの販売台数は、画面の大型化や不採算モデルの絞り込みなどで12年度は前年同期比で減少したが、13年度は上積みを狙っていくという。

同日、ソニーは2013年度の国内市場向けの新商品を発表した。6月1日から、65型と55型の「4K」パネル搭載のテレビを発売する。55型から32型の新商品も順次投入する。

4Kはフルハイビジョンと比べて4倍の解像度を持つ高精細画面。昨年11月に84型の大型サイズを発売したが、価格は168万円と高額だった。このため、6月1日から投入する製品は、65型を75万円、55型を50万円と安く想定し、普及を目指していく。13年度の液晶テレビ事業の黒字化に向け、商品力強化につなげる新製品と位置付ける。