鴻海科技集団(フォックスコン)は11日、大手通信キャリアとの通信契約とセットで昨年11月に発売した60インチの低価格液晶テレビの価格を5,000台湾元値下げし、3万3,800元(約11万2,000円)で販売することを発表した。既に購入済みの顧客にも同額の商品券を贈呈する異例の措置だ。12日付工商時報が報じた。
 同製品は、堺ディスプレイプロダクト(SDP、旧シャープディスプレイプロダクト)製の液晶パネルを採用しており、通信キャリアの中華電信、凱擘大頻(kbro)、台湾大頻(TWMブロードバンド)との2年契約の縛りを付けて販売している。鴻海は販売台数を公表していないが、3月末までの販売台数は、▽中華電信、1万台以上▽凱擘、約7,000台▽台湾大頻、月平均300~500台──で合計2万台近いと言われており、既存顧客への商品券贈呈により鴻海は1億元を出費することになる。



 鴻海は値下げの理由として、円安進行と製造コスト削減による利益還元を挙げた。鴻海が今回、過去にさかのぼってまで値下げを行った目的としては、液晶テレビの市場シェア拡大とSDPの設備稼働率向上が考えられるが、経済日報は軌道に乗っていない販売事業を刺激する意味もあると指摘した。鴻海は近くインターネット販売サイトを立ち上げる予定で、今回贈呈する商品券を利用してもらう考えとみられる。
 鴻海の値下げに対し声宝(サンポ)の陳世昌・域内営銷総経理は、5,000元値下げしても、2年の通信契約を含めれば総額では6万元近く必要だと指摘。同社や同業の大同(Tatung)の本体価格と比べ高額なため、影響はないとの見方を示した。一方、あるメーカーは、鴻海の値下げは在庫をさばくためと推測している。
 また、業界関係者は、60インチによる地場大手家電メーカーへの影響は大きくないが、46インチと52インチが値下げ圧力を受けるとともに、最も影響を受けるのは中小ブランドメーカーだと分析した。
 鴻海はこのほか、今月22日に40インチを投入することを明らかにした。60インチ同様、SDPの液晶パネルを採用、中華電信および凱擘との2年契約付きだ。同サイズは他ブランドが約2万元ほどで販売している中、8,800元と半額以下に抑えており、家庭での2台目需要を狙っている。60インチの購入済み顧客に贈呈される商品券を利用すればわずか3,800元で購入可能だ。中華電信は半年で1万台の販売を見込む。