台湾液晶パネル大手2社、友達光電(AUO)と群創光電(イノラックス、旧奇美電子)が今年の設備投資額を200億台湾元(約660億円)規模にとどめる一方、韓国勢はLGディスプレイ(LGD)が約1,118億元とその5.5倍の投資を行う。韓国勢は今年から来年にかけての中国での8.5世代工場の稼働のほか、新技術の強化、新サイズパネルの展開に注力しており、赤字続きで守勢に回ったとみられる台湾勢への攻勢をさらに強めている。2日付工商時報が報じた。
AUOは昨年の設備投資額が430億元だったため、今年は半減以下となる。楊本豫同社財務長によると、今年の設備投資は主に製造プロセスの改善やボトルネック除去作業に充てるほか、AHVA広視野角パネル、酸化物半導体TFT(OxideTFT)の生産能力拡大も図る。特にAHVAパネルは、良品率が向上して大手ブランド向けの出荷が増えており、顧客の需要に応じてさらなる投資拡大を検討する可能性もあるという。ボトルネック除去作業などを通じて、今年は第6世代ライン1本分の生産能力拡大を見込む。



 イノラックスは昨年の設備投資額が170億元だったため、今年は約18%の増加となる。広視野角IPS、IGZO(酸化物半導体、イグゾー)、アクティブマトリックス式有機EL(AMOLED)などの新技術や、南部科学工業園区(南科)でのタッチパネル一貫生産ライン設置のほか、5世代以上の生産ラインの生産能力拡充にも投資する。今年、TFTパネルの生産能力は220万平方メートル、約7%増加する見通しだ。これは第5世代工場1基分の生産能力に匹敵する。
 一方LGDは昨年の投資額が台湾元換算で840億元で、今年は約33%の拡大となる。設備投資の半分を有機発光ダイオード(OLED)、低温ポリシリコン(LTPS)などハイエンドパネルの強化に充てる。
 中国・広州の8.5世代工場も重点投資対象とする。8.5世代工場は台湾2社の生産能力が各6万枚水準で、サムスン電子、LGDの韓国大手2社の各40万枚水準とはすでに6倍以上の差が付いているが、サムスンとLGDは今年末と来年に相次いで中国で8.5世代工場を稼働させる。
 サムスンが蘇州の8.5世代工場で主力とするのは48インチと55インチパネル。LGDは48.5インチと55インチを生産する。
 こうした新サイズは、台湾勢が成果を挙げた50インチなどに対抗するのが目的とみられる。サムスンは48インチの場合、8.5世代ラインのガラス基板から8枚を切り出せる。ガラス基板の使用率が97%に上るため、1枚当たりのコストは46インチと同様で、強い価格競争力を持つ。ディスプレイサーチによると、サムスンは48インチで思い切ったオファー価格を提示しており、46、47、50など近いサイズの価格に影響を与えている。
 一方、LGDの48.5インチは、7.5世代ラインで製造した後、広州8.5世代工場でも生産する。ナローベゼル技術を採用し、モジュール化が不要でブランドメーカーがそのまま使用できる特徴を持っており、現在中国ブランドメーカーと商談を行っているという。