シャープは今秋、亀山工場(三重県亀山市)でスマートフォン(スマホ)向けの省エネ型液晶パネル「IGZO(イグゾー)」の量産を始める。スマホ向けを手掛ける天理工場(奈良県天理市)はフル稼働が続いているため、今後の需要拡大に備える。中小型パネルの拠点である亀山工場は足元で稼働率が低迷しており、高付加価値品の生産を採算改善につなげる。

 シャープは経営再建に向け、中小型液晶パネルを事業の柱に据えている。14日に公表する中期経営計画には、付加価値の高いIGZOパネルの生産・供給拡大を盛り込む見通し。IGZOパネルを搭載するスマホは現在、シャープ製スマホだけだが、今後は外部の携帯電話メーカーにも同パネルを供給したい考えだ。



 IGZOパネル搭載の自社製スマホは、NTTドコモとソフトバンクに供給しており、今夏にはKDDI(au)にも供給を始める方針。

 IGZOパネルは従来型の液晶パネルと比べ消費電力が8割以上少ないとされるほか、タッチパネルの感度も高い。今回、亀山第2工場のテレビ向けパネル設備を改良し、スマホ向けIGZOパネルも生産できるようにする。

 シャープの亀山第1工場は米アップルの「iPhone(アイフォーン)」向け中小型パネルを生産する事実上のアップル専用工場。一方で、第2工場はテレビ向けのほか、タブレット向けなどでIGZOパネルを生産してきた。

 第2工場では今年3月の韓国サムスン電子との資本・業務提携でサムスン向けのテレビ用パネルの供給が伸びているが、稼働率は6割前後にとどまる。新たにサムスンのノートパソコン向けにIGZOパネルを生産する計画になっており、スマホ向けも手掛けることで稼働率が高まる。