ノートPC市場は年間2億台規模で推移しているが、2012年はタブレットによる浸食の影響でマイナス成長となった。この状況を打破するために期待されているのが、Windows8搭載モデル及びタッチパネル搭載モデルの拡大である。
Windows8の導入はPCのタッチパネル採用に繋がると期待されているが、昨年のノートPCのタッチパネル搭載率は5%以下に留まった。タッチパネル採用の足枷となっているのが、タッチパネルのコストと供給量の不足である。



ノートPC向けタッチパネルは、カバー一体型が主流となっている。カバー一体型は薄型・軽量という点で優位性があり、携帯性が求められるノートPC向けを中心に市場が立ち上がりつつある。
しかし、歩留りが安定しないためにコスト高となる点や、大型サイズ向けの開発メーカーが限定されるなどの要因により、カバー一体型タッチパネルの採用はハイエンド製品に限られている。

こうした状況の中で注目が高まっているのが、ITO代替素材を使用したフィルムセンサである。メタルメッシュなどのITO代替フィルムは、透過率の面で課題があるが、ITOと比較してコスト面の優位性が期待できるため、徐々に採用が進むことが期待されている。普及価格帯でのタッチパネルの採用が進めば、Windows8の普及に繋がることから、ノートPCとタッチパネルの市場が相乗的に拡大する契機になると期待されている。