2013年5月7日、ソフトバンクは他社に先駆けて2013年夏モデルの発表を行った。今回、同社は新たに7機種を発表したが、その内2機種は1440×1080解像度の地上デジタル放送をそのまま受信できるフルセグ受信機能を備えている。

ワンセグ放送が開始されたのは2006年であるが、当時の携帯電話向けディスプレイは2”クラスのQVGAが殆どであったことから、ワンセグ放送の解像度はQVGA(320×240)となっている。 その後、スマートフォンの普及が進むに従い、ディスプレイは4”以上へ大画面化、解像度もWVGA(800×480)以上の製品が主流となったが、モバイル端末向けの放送規格はワンセグのままである。

ワンセグ放送のサービス開始当時は画質に不満を唱える声は限られていたが、スマートフォンでアップコンバートした画像を見る段階になってワンセグ放送の画質の粗さが目立つ状況となった。今回ソフトバンクが発表したスマートフォンは、5”FHDパネルを採用、フルセグ受信機能を備えている。
この端末はワンセグ端末と比較すると飛躍的に画質が向上しており、地上デジタル放送の利点を享受できる製品となっている。

ワンセグ放送と比べてフルセグ放送は受信感度が低いため、今後発売されるスマートフォンでフルセグ受信機能が標準搭載されるかは不透明である。
しかしながら、iPhoneに押される日系端末メーカーにとって、TV受像はiPhoneとの差別化を図れる数少ない要因であり、多くの日系端末メーカーがフルセグ受信機能の搭載を進めると見込まれる。フルHDパネルを搭載した端末では、アップコンバートされたフルセグ放送を高画質して視聴できることが端末の大きなセールスポイントになると期待されている。