ソニーモバイルコミュニケーションズの販売マーケティング責任者、デニス・ファン・スキー副総裁は23日、業績成長に伴い、2013?14年、台湾受託メーカーへの発注量は増え続けると述べた上で、ODM(相手先ブランドで設計・製造)メーカーを製品開発のパートナーとみており、研究開発(R&D)と製品ラインの競争力を強化するのはローエンド機種の受託メーカーではないと発言、台湾へのハイエンド機種の生産委託を行う考えを示唆した。24日付電子時報などが報じた。
台湾の受託メーカーは12年第3四半期以降、ソニーモバイルの製品を続々と出荷している。Xperia(エクスペリア)シリーズの「tipo」、「J」は鴻海科技集団(フォックスコン)傘下の富士康国際(FHI)、「E」は華冠通訊(アリマ・コミュニケーションズ)、「L」は華宝通訊(コンパル・コミュニケーションズ、CCI)の受託生産だ。3社の13年度(13年4月~14年3月)出荷台数は1,500万~2,000万台と、ソニーモバイルの出荷目標4,200万台(前年比27%増)の36~48%を占める見通しだ。



 ハイエンド機種の生産委託が行われるようになれば、これらの受託メーカーが恩恵を受ける見通しだ。なお、ある台湾メーカーが7月に聯発科技(メディアテック)のクアッドコアプロセッサー搭載のスマートフォンをソニーモバイル向けに出荷する予定だ。
 ファン・スキー副総裁は、台湾の消費者は最新のハイテク製品に対する受容力があり、ソニーモバイルのハイエンド機種の重要市場だと述べた。また、ソニーモバイルは台湾スマートフォン市場3位で、人気上位20位にスマートフォン5機種がランクインしていると説明。今年は人員を増加し、マーケティング予算を2倍以上に増やすと意気込んだ。
 台湾ソニーモバイルの林志遠総経理は、第1四半期に台湾のハイエンドスマートフォン市場で販売額3位になっており、今年通年では2位を目指すと述べた。
 市場調査会社の統計によると、4月の台湾市場販売額ランキングは「バタフライ」と「新HTC One」の人気で宏達国際電子(HTC)がサムスン電子を下し首位に返り咲いた。これをソニーモバイルが追いかける構図だ。4位はアップル、5位は華碩電脳(ASUS)だった。機種別ではHTCの「バタフライ」(市場シェア6.9%)に首位を許したものの、ソニーモバイルの「エクスペリアZ」はシェア6.4%で2位に付けた。3位以下はサムスンの「ギャラクシーノート2」、「新HTC One」、サムスンの「ギャラクシーS3」の順だ。一方、販売台数ランキングは上位から▽サムスン、シェア25.8%▽宏達国際電子(HTC)、21.2%▽ソニーモバイル、14.1%▽ノキア、6.2%▽アップル、5.4%──だった。