業績不振のスマートフォン最大手、宏達国際電子(HTC)に、上海工場の一部設備を売却することで華為技術(ファーウェイ・テクノロジーズ)と交渉中で、その後桃園工場も売却して、将来的にスマホ生産は受託生産企業に任せ、同社はブランドおよびマーケテイング、研究開発(R&D)に専念するという観測が外資系証券会社の間で出ている。13日付蘋果日報などが報じた。
華南永昌投顧の儲祥生董事長は観測について、「HTCが実際にそうするかは分からないが、ロジックとしてはあり得る。製造コストを大幅に削減できるためHTCにとって良いことだ」と述べた。
 儲董事長によると、ノキアやモトローラなど携帯電話ブランド企業は大部分が他社に生産を委託しており、自社生産を行っているのは多くの携帯部品を生産できるサムスン電子のみだ。HTCは毎月の出荷台数がわずか数百万台で規模のメリットがないため、工場を売却してブランドとR&Dに専念すればコストを低減できると説明した。
 さらに、売却先として名前が挙がったファーウェイについて儲董事長は、「ミドル~ローエンドの機種が多く、HTCの工場を買収できる能力を持つ。同社に生産ラインを売却すれば、受託業者に生産を任せることになり、生産面で悩むことはなくなる」と指摘した。
 なお、同観測に対しHTC主管は「聞いたことがない」と否定した。



 HTCは12日、ハリウッドの大物スターで映画「アイアンマン」の主人公役を務めたロバート・ダウニーJr.を、「Here’s To Change」と題した創業以来最大規模のマーケティングキャンペーンのイメージキャラクターに選んだと発表した。契約金は2年で1,200万米ドルと伝えられる。台湾時間8月15日より最初の5~6本の広告がインターネット上で視聴でき、テレビやSNS(ソーシャル・ネットワーク・サービス)でも広告を打つ。
何永生HTC行銷長によると、ロバート・ダウニーJr.がテレビコマーシャルに登場するのは初めてで、これによりHTCのブランド知名度を30~40%高めたい考えだ。なお、中華圏では引き続き五月天(メイデイ)と王力宏が広告キャラクターを務める。
 HTCが昨年米国でのマーケティングに投じた費用は台湾元にして13億8,000万元(約45億円)で、サムスンの120億元、アップルの100億元を大きく下回った。今回は大物スターの知名度で販売に結び付けたい考えだが、果たして所期の効果を得られるかは疑問だ。
 最大の問題は、下半期に大型キャンペーンに見合った大型製品がないことだ。販売が落ちている「新HTC One」がキャンペーンによって再び勢いを取り戻せる可能性は低く、先週発表された「HTC One mini」は、ミドルエンド市場を対象にしているものの、コストパフォーマンスが評価されていない。「HTC Butterfly S」は投入する市場が限定されており、第4四半期発売の「HTC One MAX」はハイエンド過ぎてブームが起きるとは考えにくい。ミドル~ローエンドの「Desire」シリーズは革新性に欠ける。
 さらに、HTCは過去2年にわたるマーケティングで、すでに目標消費者群の78%にHTCブランドを認知させている。にもかかわらず販売成績には十分結び付いておらず、今回も二の舞を踏む可能性は高い。