市場調査会社、ディスプレイサーチの謝勤益副総裁は14日、来年2014年は液晶パネル需要が10%成長する一方、供給は5%増にとどまり、需給が再度ひっ迫するとの見方を示した。スマートフォンディスプレイの大型化やタブレット型パソコンのハイエンド化、テレビの大型化によって需要が拡大する一方、旧型工場の閉鎖によって生産能力の淘汰(とうた)が進み、需給が健全化するとしている。15日付経済日報が報じた。
 液晶パネル業界は現在中国市場での在庫調整のために供給過剰に陥っているが、8月中旬から10月にかけて新たな需要の波が到来して、価格が下げ止まるとの予想だ。10月以降の需要動向は、中国の元日から春節(旧正月)にかけての期間、および欧米の年末の販売状況を見る必要があるとしている。
 なお台湾大手2社の群創光電(イノラックス)と友達光電(AUO)は、第2四半期にそれぞれ40億7,100万台湾元(約133億円)と39億8,200万元の利益を計上したが、第3四半期業績については慎重な見方をしている。
 中国で中国・韓国の液晶パネル大手が既に第8.5世代生産ライン8本を稼働させていることについて 謝副総裁は、供給過剰は以前に予測されていたほどではないとの見解を示した。
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京東方科技集団(BOEテクノロジーグループ)を例に挙げて、第6世代工場を中小型パネルに特化した上、低温ポリシリコン(LTPS)パネルなど技術的難度が高い製品の生産に充てたことで大型パネルの生産量を抑制したと説明。また、サムスン電子とLGディスプレイ(LGD)が蘇州と広州に設置した8.5世代工場は初期生産量がガラス基板投入ベースでわずか2万枚だとして、「中国の8.5世代工場群は、実際の影響はそれほどではない」と指摘した。
謝副総裁はまた、ソニーが既にAUOの全生産量を抑えたため、サムスン電子がAUOから4K2Kパネルを調達できないでおり、4K2Kテレビの出荷に影響が出るという見通しを明らかにした。ソニーは米国市場で55インチと65インチの4K2Kテレビの価格を一挙に1,000?1,500米ドル引き下げたばかりで、AUOは今後4K2Kパネルの出荷割合の拡大が予想されるという。
4K2Kパネルは高付加価値製品で、出荷増が利益拡大に結び付く。AUOの蔡国新・副総経理は、需要期である第4四半期に新たに42インチと50インチの4K2Kパネルを出荷する考えを示した。
4K2Kテレビの今年の世界需要は100万台である一方、サプライチェーンが成熟しておらず在庫量が必要なことから4K2Kパネルの出荷は200万枚に達する見通しだ。ただ、来年は主力市場である中国のほか、欧米でも需要が伸びて4K2Kテレビの出荷は300万台に上るとみられる。