米アップルのスマートテレビ「iTV」は、来年上半期の発売に向けてディスプレイの規格制定など準備が進められている。アップルがリビングルームの主役であるテレビを制すれば、データ同期が可能なiPhoneやiPad、MacBookなど他のアップル製品の販売増にもつながる。アップル製品を生産する鴻海科技集団(フォックスコン)をはじめ台湾電子メーカーにとって大きな商機が期待できる。経済日報が報じた。
サプライチェーンの関係者によると、2週間前、アップル、鴻海、鴻海傘下のガラス加工メーカー、正達国際光電(Gテック・オプトエレクトロニクス)、コーニングの4社が米国で会談を持ち、iTVにはコーニングの強化ガラス「ゴリラガラス」の技術を用いたフルフラットディスプレイを採用する計画が話し合われたという。コーニングはゴリラガラス技術をGテックに移転し、Gテックは群創光電(イノラックス)から液晶パネルを採用、鴻海精密工業が来年から組み立てを行うとされる。
 
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フルフラット、ナローベゼルさらにはゼロベゼルのディスプレイは、アップルやサムスン電子、宏達国際電子(HTC)がスマートフォンやタブレット型パソコンに取り入れている。iTVがフルフラットを採用すれば、液晶テレビでもフルフラット製品が相次ぐ可能性が高い。
 市場調査会社、ディスプレイサーチの謝勤益副総裁は、コーニングはゴリラガラスを供給するのみで、iTVのフルフラットディスプレイを製造するためには十分な光線透過率を確保すべくさらに研磨や多くの表面処理工程が必要で、かつテレビ用で大型であるため工程の難易度は高いと指摘。コーニングから技術移転を受けたGテックが表面処理を担当すると説明した。
 謝副総裁はまた、iTVは各種サイズをそろえるはずだが、最初は55インチと60インチを発売するとの見通しも示した。堺ディスプレイプロダクト(SDP)の第10世代工場の液晶パネルを採用するものの、それだけでは需要に応えられないため、イノラックスから大量調達を行うことになるとの見方も示した。
 iTVは鴻海集団およびその他のサプライチェーンにとって、業績と設備稼働率を引き上げる来年の期待の星となりそうだ。