ノートパソコン受託生産大手、仁宝電脳工業(コンパル・エレクトロニクス)は30日、傘下の携帯電話受託メーカー、華宝通訊(コンパル・コミュニケーションズ)の全流通株式を取得して経営統合すると発表した。タブレットPCとスマートフォンは生産設備や研究開発(R&D)が重複しており、統合によって経営効率を高める狙いがある。アップルの低価格iPhoneの新機種受注に向けた準備との観測も出ている。1日付工商時報などが報じた。
陳瑞聡コンパル総経理は経営統合のメリットとして、顧客窓口を一本化してノートPCからスマートフォンまでワンストップサービスを提供できること、およびグループの技術リソースを集中でき重複投資を避けられることを挙げた。そして「効果は1~2年で表れる」と強調した。
にほんブログ村 ニュースブログ ITニュースへ
にほんブログ村


 コンパルは10月1日から11月19日まで、1株当たり50.8台湾元で華宝株式の取得を目指す。華宝の30日の終値(43.5元)で計算した場合、プレミアムは16.78%。買収額は最大で161億3,000万元(約537億円)に上る試算だ。なお、コンパルは既に華宝の株式47.78%を保有しているため、5%程度の追加取得で経営統合は可能だ。来年4月までに関連手続きを済ませ、華宝の上場を廃止する。
 証券会社からは取得金額が高過ぎるとの指摘も出ているが、陳総経理は「価格は合理的」との考えだ。
今回の華宝の経営統合は、アップルの低価格iPhoneの受注に向けた動きとの見方がある。華宝は既存の南京工場では生産対応力に限界があるため、アップルの受注獲得に不利とみられていた。コンパルは華宝を統合した後、昨年から今年にかけて閉鎖した江蘇省昆山の2基の工場で低価格iPhoneの生産を始め、来年下半期
に出荷を開始すると観測されている。陳総経理は30日「華宝の顧客3社のうち2社からの受注が、2014年から15年にかけて大幅な伸びを見せる」とアップルからの受注拡大を示唆した。
 陳総経理はまた、スマートフォン事業の顧客は15?16年に5~6社に増えると、事業拡大に強気の見方を示した。
 業界では11年に英業達(インベンテック)が携帯電話生産子会社の英華達(インベンテック・アプライアンシズ)を経営統合している。英華達は中国のスマートフォンメーカー、北京小米科技からスマートフォンやインターネットテレビ用のセットトップボックス(STB)を受注、ヒューレット・パッカード(HP)のスマートフォンやアップルの腕時計型デバイス「iWatch」の受注を狙うなど、製品R&Dや顧客との関係強化でインベンテックに少なからぬ補完効果をもたらした。
 1日付電子時報は、これらのメリットからコンパルによる華宝統合は当然の流れと指摘した上で、今後は緯創資通(ウィストロン)による啓碁科技(WNC)統合、鴻海科技集団(フォックスコン)による富智康集団(FIHモバイル)統合など、傘下携帯電話メーカーを吸収する動きが続くのではないかとの見方を示した。