宸鴻集団(TPKホールディング)傘下のタッチパネルメーカー、達鴻先進科技(CANDO)は4日、タッチパネル搭載ノートパソコンの需要低迷により、新竹県の3.5世代、4.5世代工場(生産ライン各1本、月産各7万枚・ガラス基板投入ベース)を当面休止すると発表した。業績不振に見舞われる台湾タッチパネル業界でも、工場休止に踏み切るのは同社が初めてだ。5日付工商時報などが報じた。
荘鋒域同社総経理は、現在の受注状況では生産能力を満たせないため休止を決定したと説明した。今後生産は台中工場(生産ライン2本、月産各10万枚・同)に集約する方針で、同工場の稼働率は現在5割前後のため新竹工場の生産分を受け入れられるとした。新竹工場で働く従業員は約500人で、配置転換の呼び掛けに応じない者は解雇する方針だ。台中移転の関連作業は年内にも完了する見通しで、生産休止による同社財務などへの影響はなく、また第4四半期は出荷状況が前期より好調のため今回の生産調整と合わせて業績好転が見込めると強調した。


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 同社の製品はタッチノート向けパネルが50%、タブレット型PCなど向け中小型パネルが50%を占める。第3四半期はタッチノートの販売不調を受けて工場稼働率が5割を切り、8月に100人を解雇したばかりだ。なお同社は今年上半期、6億7,000万台湾元(約22億4,000万円)の赤字を計上している。
 タッチノートの販売不振は部品価格にも悪影響を及ぼしており、今年上半期に1インチ4~4.5米ドルだったタッチパネルモジュールのオファー価格は、中旬には3.5~4米ドル、下半期には2米ドル程度にまで下落した。タッチノート用ICもオファー価格が7月の4米ドルから、現在は大手メーカーで2米ドル、一部メーカーで1米ドル以下まで下落した。
 ただ業界では、タッチパネルの高価格が浸透率低迷の一因との見方があり、オファー価格下落がタッチノートの低価格化を促進し、来年は同製品の浸透率が20%に達する可能性もあるとの予測がある。それまでの間、タッチパネル業界は逆風が続くと予想されている。