工商時報によると、スマートフォン最大手の宏達国際電子(HTC)が、中国のロー~ミドルエンド市場攻略のため、同国の設計メーカー、龍旗および受託生産メーカーの聞泰集団(ウイングテク)へ委託するとの観測が浮上している。両社は台湾でも人気となった中国の新興スマートフォンブランド、北京小米科技の「紅米」を手掛けた実績があり、HTCは中国市場を熟知する企業に委託することで、新機種の販売サイクルを早め、シェア獲得を狙うとみられる。工商時報が報じた。
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高成長を遂げる中国スマートフォン市場は、HTCにとって昨年より最大の出荷先となっており、重要市場と位置付けている。ただ、ロー~ミドルエンド機種が主流である上に、2~3カ月の短期間で価格動向や流行が大幅に変化するため、ハイエンド機種を主力とするHTCの研究開発(R&D)チームでは変化のスピードに付いていけず、新製品販売で後手に回ったり、コストが拡大したりしている。
 HTCはこのため龍旗と聞泰集団に白羽の矢を立てたもようだ。両社が手掛けた小米の紅米は、聯発科技(メディアテック)の1.5ギガヘルツ(GHz)クアッドコアプロセッサー、友達光電(AUO)の4.7インチ広視野角IPS方式の高精彩タッチパネルを搭載するなど高スペックながら低価格を売りに中国で人気を博し、台湾でも発売からわずか10分足らずで1万台が売れるほどの人気を呼んだと報じられた。HTCは両社との提携によって中国市場に適した機種を素早く導入できると期待しており、龍旗にはメディアテックのクアッドコア(4コア)およびオクタコア(8コア)、聞泰集団は同クアッドコア搭載機種を委託するもようだ。中国企業に委託することで狙い通りの結果が得られるかは、早ければ来年上半期にも明らかになる。
 なお、HTCは既に一部ロー~ミドルエンド機種で仁宝電脳工業(コンパル・エレクトロニクス)傘下の携帯電話受託メーカー、華宝通訊(コンパル・コミュニケーションズ)に生産委託を始めている。HTCの通年の世界出荷台数は今年、来年ともに2,000万台規模が予想されている。