EMS(電子機器の受託製造サービス)世界最大手、鴻海科技集団(フォックスコン)の郭台銘(テリー・ゴウ)董事長は26日、今年も連結売上高15%成長を目標とし、今後5~6年で10兆台湾元(約34兆円)を目指すと述べた。昨年の約4兆元から倍増させるため、まず今年は12事業群への組織再編、インドネシア、米国などへの海外投資を行い、今後10年は自らかじ取りを行うと述べ、第一線でグループを引っ張り続ける考えを示した。27日付経済日報などが報じた。
鴻海は2013年連結売上高が前年比1.25%増の3兆9,500億元と、毎年15%成長の目標を達成できなかった。郭董事長は株主に謝罪した上で、昨年をステップに今年は必ず飛躍を遂げると述べた。郭董事長は創業当初の年商200万~300万元の時代から40周年を迎える今年まで鴻海から離れたことはなく、あと10年は頑張ると語り、後継者候補の育成に当たる考えも示した。
 郭董事長は、現在の10事業群から12事業群に拡大し、潜在成長力がある若い人材に傘下各グループの総裁を任せると述べた。
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 郭董事長はまた、将来は「連邦制」を採り、財務や特許などだけを中央で管理して、権限の分散を図る考えも示した。分離や統合を行いつつ、台湾、中国、香港、米国などで上場会社を100社以上に増やすと構想を語った。
 郭董事長は海外展開について、2月初旬にインドネシアを再度訪問し、投資計画が決定すると見通しを示した。現地でのブラックベリーとの提携計画は既に確定している。
 郭董事長はまた、メルセデス・ベンツ、BMW、アウディなどドイツの自動車メーカーと提携する計画もあると明かした。業界では、カーエレクトロニクス、金属技術などでの提携と予想されている。鴻海はチェコ、ハンガリー、スロバキアなど中欧に生産拠点を置いているが、ドイツに進出する可能性もありそうだ。
 この他、オバマ米大統領の製造業回帰促進政策に呼応し、鴻海は昨年末、ペンシルベニア州と今後2年間で4,000万米ドルの投資を実行する契約を行った。郭董事長は、米国で2本目となる第10世代液晶パネル生産ラインを増設する可能性も示唆した。
 鴻海調達部門の元幹部らによるリベート疑惑に対し、郭董事長は「非常に心を痛めている。市民にお詫びする」と初めて公開の場で謝罪の意を表明した。経営者が経営に専念できるよう、企業賄賂防止法の成立に期待感を示した。
 郭董事長は1~2年前から問題を把握しており、関係した人物に警告していたし、元SMT(表面実装技術)技術委員会副主任委員兼シニア副総経理の廖万成容疑者に至っては、勤続15年で株式の配当や給与で累計6億元支給したのに足りなかったのかと話した。