政府系ファンドの産業革新機構が出資する中小型液晶パネル会社、ジャパンディスプレイの東京証券取引所への上場が週内にも承認される見通しとなった。3月中に上場する。相場環境などにもよるが、上場時の時価総額は最大7000億円規模になるとの見方もあり、産業革新機構にとって初の上場による資金回収事例となる。2014年は大型上場が相次ぐとみられ、株式市場の活性化にも寄与しそうだ。
ジャパンディスプレイは日立製作所、東芝、ソニーの中小型液晶パネル事業を統合し、12年4月に発足。産業革新機構が7割の株式を保有する。普及が進むスマートフォン(スマホ)やタブレット端末用のパネルの高精細化に強みを持ち、業績が急回復している。
 ジャパンディスプレイは上場に伴って、最大で2000億円程度を調達したい考え。液晶市場や株式市場の環境によっては、時価総額や調達できる資金の額は変動する可能性もある。
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 調達する資金はスマホ向けや、今後需要が伸びる車載用パネルの設備投資に充てる方針だ。スマホではかねて米アップルや韓国サムスン電子に高機能パネルを供給。昨年からは中国メーカーとのパイプも拡大している。ただ、スマホは世界市場が10億台を超える一方で、平均単価の下落が著しい。このため市場拡大と価格安定の両方が見込める車載用パネルも並行して注力する。
 足元では車載用パネルで2割を超す世界シェアを握るものの、台湾企業が台頭し、首位争いも激しくなっている。ジャパンディスプレイはスマホとともに車載向けの生産・販売を増強することで対抗する。車載パネルは後方の確認用などに需要の急増が見込まれ、スマホに続く収益源の一つにすることを狙っている。
 09年に発足した官民ファンドの産業革新機構はジャパンディスプレイのほか、半導体のルネサスエレクトロニクスや電力メーターのランディスギアなどに出資している。ジャパンディスプレイの上場により、初めて上場を通じて投資資金を回収することになる。これに伴い、本業であるベンチャー企業などへの再投資を加速させる考えだ。