液晶パネル2強、群創光電(イノラックス)と友達光電(AUO)の合併観測について14日付電子時報は、経済部が合併に向けた内部計画を策定したという上層幹部の話を伝えた。中国で2016年までの3年間に新たに16基の液晶パネル工場が新規稼働する見通しの中、イノラックスとAUOは合併による体質強化のみが生き残りの道との指摘が出ており、いつどのような形で具体的な交渉に入るのか注目される。
経済部幹部は両社の合併メリットについて、研究開発(R&D)リソースの重複を解消できるほか、規模拡大により原材料調達交渉が有利になることを挙げた。
 張家祝経済部長は先月、イノラックスが合併に意欲を持っていることが立法院の質疑で明らかになった際、「成り行きを楽観する」と期待感を示す一方で、「両社の意向を尊重し、政府が強行介入することはない」との立場も強調していた。両社の合併は既に切迫した課題となっている。
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中国で京東方科技集団(BOEテクノロジーグループ)、深?市華星光電技術(CSOT)、南京中電熊猫液晶顕示科技などが16年までに生産能力を大幅に拡大するため、液晶パネル市場は深刻な供給過剰に陥ることが予想されている。台湾2強が中国液晶パネル市場で競争力を失う可能性は高く、中国がパネルに対する関税を引き上げでもすれば、窮地に立たされることは必至だ。
 現在、台湾2強は設備投資を大幅に抑制しており、新規の大型工場を展開する余力はなく、先進技術への投資すらもライバル国のメーカーに後れを取っている。このことは台湾液晶パネル業界内の競争で中華映管(CPT)が脱落した際、まず新世代工場への設備投資を継続できなくなった事例を思い起こさせる。奇美電子(CMO、現・群創光電)幹部からCSOT執行副総裁に転じた(2月末に離職)陳宜立氏は、台湾勢はこのままではただ勢力を弱めていくだけで、倒産の恐れすらあると指摘した。
 主力産業であるパネル産業でそうした事態が起きた場合、台湾は輸出総額、域内総生産(GDP)成長率が落ち込むのはもちろん、パネル産業に従事する労働者は約20万人いるため、失業率が上昇し、社会の安定にも影響する懸念がある。このため、液晶パネル2強を合併によって立て直すことは台湾の国家的課題と言えるのだ。
 現段階でイノラックスは依然世界3位、AUO4位の大手メーカーで、合併すれば世界1位に踊り出る。そして米国を主要供給先とすれば、生き残りを図れる余地はありそうだ。米国は中国とは貿易摩擦の深刻化が予想され、韓国とは大手ブランドが競合関係にあり、台湾と協力関係を深めることにはメリットがある。
 しかし、合併の最大の難関として、「誰が主導権を握るか」という問題がある。すなわち「誰かが身を引く」ことを意味し、イノラックスの段行建董事長とAUOの李焜耀(K・Y・リー)董事長に降りかかってくる課題だ。
 合併交渉がこの問題で最後までまとらない場合の解決策としては、イノラックスは液晶テレビ用パネルに強みを持つためAUOが同部門を譲渡し、ノートパソコン用パネルや中小型パネルはAUOのみが手掛けるといった「事業交換」を行う選択もある。
 今年は液晶パネル業界が手遅れに陥るのを防ぐ上で、鍵となる1年だ。経済部は「合併交渉には良い時期」との認識で、この問題で最近、呉明機工業局長が李AUO董事長を訪問した。政府は合併交渉がまとまり、主導権問題がきちんと処理できれば、関連法規や銀行債務の問題などで協力するとしているが、国家的な課題である以上、少なくとも一定の指導力を発揮することが期待される。