ソニーが有機EL(エレクトロ・ルミネッセンス)テレビ事業から撤退し、サムスンも投資を中断する方針などと報じられたことについて、中国メディアの鄭州晩報は5月30日、「中国の有機ELテレビ市場は韓国のLGとわが国の創維数碼 (スカイワース・デジタル)による対決の様相を呈してきた」と報じた。
 記事は、ソニーやパナソニック、サムスンといった大手メーカーがこれまで巨額の資金を投下して有機ELテレビの研究開発を行ってきたと紹介する一方、「有望な市場と期待されてきた有機ELテレビ市場で巨頭たちが尻込みしている」と論じた。
 さらに、「2年連続で赤字となったソニーはすでにテレビ事業に関する戦略の調整を開始した」と報道。さらにサムスンについても有機ELテレビへの追加投資および研究開発を停止するとの報道があると紹介する一方で、「サムスンは同報道について否定している」と伝えた。
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 中国電子商会の陸刃波副秘書長は鄭州晩報の取材に対し、有機ELテレビはコストが高いうえにパネル耐用度の改善などといった点で技術的困難に直面してい ると指摘、「大手電機メーカーのうち数社が有機ELテレビの縮小を検討しているようだ」と述べた。さらにサムスンについては「仮に追加投資などを停止する としても一時的な措置にとどまり、撤退はないと考えている」と語った。
 記事によれば、LGはこのほど中国市場においてテレビ広告を強化し、あら ゆるチャネルを通して有機ELテレビを中小規模の都市にまで推し広めると発表した。また、LGディスプレイの有機ELパネルは長虹、創維、康佳といった中 国メーカーでの採用が決定しており、「LGは中国で自社ブランドの製品を強力に売り込む一方で、協力企業の模索も積極的に行っている」と伝えた。
 2014年4月にスカイワース・デジタルが有機ELテレビの量産、販売を行った初の中国企業となったことについて、記事は「中国の有機ELテレビ市場は韓国企業と中国企業による争いを迎えることになる」と報じた。