東レは6月11日、最大成形伸度300%の高い易成形性と耐傷性を両立させた自己修復コートフィルムを開発したと発表した。加飾成形分野ではインサート成形のような、フィルムを用いた成形の採用が進んでおり、こうしたフィルムには複雑な立体構造に追従できる高い成形伸度や、“ピアノブラック”のような強光沢仕上げのニーズの高まりに対する耐傷性が要望されている。
ただし、最大成形伸度300%が求められる領域で使用可能な現在の易成形ハードコートフィルムは、伸びの良さを維持するため十分にコート層を硬くしづらく、そのため、日常生活で使われるうちに摩擦の繰り返しによる歪みが蓄積し、これが擦り傷となって光沢感の低下をもたらしているという。
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今回開発した自己修復コートフィルムでは、光沢を持続させるため、コート層の表面に独自の「微細海島構造」を採用し耐傷性を強化。素早く弾性を回復させる“島部分”の組織と、緩やかに弾性を回復させる“海部分”の組織で構成され、自己修復機能を大幅に強化した。
また、コート層の基材側を易成形性に必要な伸びの良い組織に、同じく表面側を耐傷性に必要な復元力の高い組織に継ぎ目なく変化させる「厚み方向傾斜構造」を導入。
これにより、鉛筆硬度2Hの易成形ハードコートフィルムよりも高い耐傷性を達成しつつ、300%の成形伸度を実現した。自動車内装用途をはじめ、光沢が求められる白物家電、生活用品、電子機器などの外装用途を狙っていく。フレキシブルディスプレイ向けでも、耐屈曲性や柔軟性が生かせるのではないかという。今後はサンプルワークを開始するとともに、東レフィルム加工と連携して早期の量産展開へと進めていく計画。