ミネベアは液晶パネルに裏側から光を当てる「バックライト」の生産で東南アジア内の分業を進める。人手がかかる組み立て作業は人件費の安いカンボジアに集約し、タイや中国では自動化に向く部品を増やす。東南アジアの生産再編に50億円を投じる。スマートフォン(スマホ)の普及で液晶パネルの需要が伸びるなか、東南アジア内で効率的な生産体制を敷いてコスト競争力を高める。
 2015年2月までにカンボジア工場の能力を2倍の月産2千万個に引き上げる。カンボジア・プノンペン郊外に構える拠点に、発光ダイオード(LED)や液晶に光を当てる「導光板」を組み合わせるためのクリーンルームや製品の検査装置を増設する。モーターの製造など他のラインと合わせて6千人いる従業員も4割程度増やす。
にほんブログ村 ニュースブログ ITニュースへ
にほんブログ村


 タイと中国の工場では導光板やLED素子を並べる作業など自動化しやすい部品の生産を主に担当させていく。タイと中国の工場でつくった部品をカンボジアで液晶パネル用バックライトとして組み立て、液晶パネルメーカーに出荷する。
 日本貿易振興機構(ジェトロ)の13年度の調査によると、プノンペンの製造業労働者の賃金は月額101ドル(約1万200円)。中国やタイの3分の1程度の水準だが電力が割高な事情がある。それぞれの事業環境に合わせてラインを置き、採算を高める狙いだ。
  ミネベアのLEDバックライト事業の売上高は14年3月期で約630億円と全体の2割弱を占める。設備増強と顧客の開拓を進め、17年3月期に1100億 円に引き上げる計画。バックライトではオムロンが中国で100億円を投じて16年までに年産能力を2倍にするなど、需要増に備えた動きが活発になってい る。