独メルクは2017年にも有機ELテレビの次世代製造方式に対応した材料の商業生産を厚木事業所(神奈川県愛川町)で始める。発光材料などをインクジェット製造方式向けにインク化する設備を導入し、既にサンプル出荷を始めた。主流の真空蒸着方式では製造が難しいとされる第8世代(2・2×2・5メートル)の大型ガラス基板を使った有機ELパネル製造を想定し、17年までに量産品質を確立する。
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 ドイツで製造した粉末状の材料を厚木事業所の新設備で溶媒に溶解するなどしてインク化する。有機ELの主要材料のうち発光材料と正孔輸送材料を インク化。将来は電子輸送層などのインク化も目指す。生産能力は小規模ながらも17年ごろの有機ELテレビ市場に対応できる規模という。
 メルクは12年にセイコーエプソンから有機EL材料のインク化技術の供与を受けた。メルクは蒸着方式向け材料も手がける。同社は蒸着式で採用実績を積み、長期的にインクジェット方式で採用を増やす戦略を掲げる。
 有機ELテレビの開発と製造は韓国など海外企業が中心となった。それでも技術提携先が日本企業であることや日本拠点に技術者がそろっていることもあり、厚木事業所で当面は量産することを決めた。