ソニーが先日、スマートフォン事業の戦略見直しを発表し、ハイエンド機種に注力する一方、ローエンド機種を削減する方針が明らかとなった。しかし業界からは、ソニーの方針は製品ラインアップを充実させる業界トレンドに逆行しており、台湾サプライチェーンの関連受注は今後縮小に向かうのではないかとの懸念の声が出ている。23日付電子時報が報じた。
ソニーはスマホを中核事業に位置付けているものの、競争激化で販売が低迷。同事業の15%(約1,000人)の人員削減の他、減損処理で約1,800億円の営業損失を計上する見込みとなった。中国メーカーの台頭で新機種の出荷が伸び悩み、今年通年の目標出荷台数も4,300万台と、従来から700万台の下方修正も余儀なくされている。こうした状況を受けて収益確保を優先する必要から、「ハイエンド機種注力、ローエンド機種削減」へとかじを切ることを決めた。
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 ソニーの携帯電話事業はソニーモバイルコミュニケーションズが担当しており、華冠通訊(アリマ・コミュニケーションズ)や、華宝通訊(コンパル・コミュ ニケーションズ、CCI)を2月に統合した仁宝電脳工業(コンパル・エレクトロニクス)などが長年にわたり、ミドル~ローエンド機種を受注してきた。受託 生産メーカーは、当面は発注が継続されるものの、長期的には打撃を受けるとの見方だ。
 ソニーが注力を図るハイエンド市場はアップルとサ ムスン電子の2強体制の上、既に飽和状態でサムスンですら苦戦を強いられている厳しい状況で、ソニーの勝算は低いのが現状だ。このため、宏達国際電子 (HTC)は「デザイア」、LGは「L」シリーズというミドルエンド機種を展開。モトローラは中国メーカー同様、高コストパフォーマンス機種に注力してい る。サムスンもロー~ミドルエンド市場に注力する計画とされるなど、固定ファンが多いアップルを除く大手各社は、ロー~ミドルエンド製品を幅広く取りそろ えてラインアップの優位性を保つことが欠かせないと判断している。
 ソニーの今回の戦略見直しはこうした視点を欠いているため疑問視する見方も多 く、スマホ事業全体の縮小が危ぶまれている。スマホ市場は新興市場を中心に伸びしろは大きく、携帯電話受託メーカーは、ソニーが四半期ベースで1,000 万台の出荷を維持したとしても世界シェアで上位10位から転落すると予測。勢力を拡大する中国メーカーとの差が広がるとの見方を示した。
 出荷自体の減少に加え、ソニーがニッチ市場に向かうことも考えられ、その場合、既存の関連部品などのサプライヤーへの発注削減に拍車が掛かる恐れもある。