ノートパソコン受託生産大手、仁宝電脳工業(コンパル・エレクトロニクス)の陳瑞聡総経理は13日、来年ノートPCのタッチパネル搭載率がゼロになる可能性があると述べた。マイクロソフト(MS)が来年下半期に発売予定のOS(基本ソフト)、ウィンドウズ10が転機をもたらし、ノートPCはタッチパネルを使わない従来の使い方に戻るとの見方だ。14日付工商時報が報じた。
陳総経理は同日の決算説明会で、今年の同社ノートPC出荷全体に占めるタッチパネル搭載機種の割合は12~13%だが、来年は非常に低くなり、ゼロとなる可能性もあると述べた。一方、タブレット端末としても使えるデタッチャブル(着脱式)ノートPC(変形ノートPC)では依然タッチパネル搭載が続くと予想した。
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 証券会社は、デタッチャブルノートPCは来年成長が見込める製品のため、タッチパネル搭載機種が全体に占める割合は今年と同水準か微減にとどまると予測した。

  タッチパネル搭載ノートPCは、マイクロソフトが2012年10月にモバイル端末市場での出遅れを取り戻そうと、新ユーザーインターフェース(UI)「ラ イブタイル」などタッチ操作が売り物のウインドウズ8を発売したことで普及が進むと期待されていた。ところが、ウインドウズ8は使い勝手などユーザーエク スペリエンス(UX)が従来と違い過ぎてユーザーがとまどい、ノートPCへの採用率は低いままとなった。マイクロソフトは来年下半期に発売するウィンドウ ズ10で、デスクトップのスタートメニュー復活やライブタイル融合など、ウィンドウズXPやウィンドウズ7に近いユーザーインターフェースに回帰する決断 を迫られた。

 市場予測で定評がある陳総経理は、15年のノートPC世界市場について、今年 と同水準か2~3%減と予測した。タブレット端末は、大手3社は成長するが、ホワイトボックス(中国語は白牌)と呼ばれるノーブランド、無名ブランドが ユーザーの信頼感を失い、市場全体の出荷量は減少するとみている。

 同社が13日発表した今年第3四半期の連結売上高は2,267億9,300万台湾元(約8,600億円)で前期比12%減、粗利益率は3.26%で0.64ポイント下落、純利益は25億8,400万元で9.2%増だった。