LCD MS 2014中国で需要の膨らむ高精細な中小型液晶が、国内外のパネルメーカーの戦略に影響を与えている。シャープは11日、独自液晶で4K映像を楽しめるスマートフォン用パネルを中国メーカー向けなどに開発すると発表。シャープは中国でも勢いのある北京小米科技(シャオミ)を主要顧客に抱え業績は堅調だが、ライバル各社も需要取り込みに懸命で、競争は激化しそうだ。  
シャープが開発するパネルは、高精細で低消費電力の液晶技術「IGZO(イグゾー)」を活用。平成28年度の大量生産開始を目指す。
中小型液晶は、2年前に東芝、日立製作所、ソニーの中小型液晶事業を統合して誕生したジャパンディスプレイ(JD)が世界シェアで抜き出ていたが、最近はシャープが猛追し、鼻差で猛追している。  
一方、JDは、上得意の顧客だったソニーや韓国サムスン電子が不調で、その他の顧客の中国企業は低価格パネルの需要も根強いため、10月には今期2度目となる業績予想の下方修正を発表。一部工場の閉鎖も決めるなど、上場1年目にして苦戦に陥っている。
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ただ、中国市場で高精細パネルを求める動きは今後も加速するとみられている。米調査会社NPDディスプレイサーチによると、シャープ、JDと韓国LGディスプレイを合わせた上位3社のシェア(金額ベース)は、2014年は昨年より5・3ポイント高い50・8%に伸びる見通しだ。

 JDは高精細パネルの生産ラインを来年の年明けにも増強し、挽回を図る。

 ディスプレイサーチのアナリスト、早瀬宏氏は「生産能力や技術面で後続の台湾、中国メーカーはすぐにはついてこれない」と、シャープとJDの優位を指摘するが、両社にほぼ肩を並べたLGをはじめ競争環境は厳しさを増しそうだ。