シャープは今春をめどに米アップルの専用工場である亀山第1工場(三重県亀山市)で中国スマートフォン(スマホ)メーカー向けに液晶パネルの生産を始める。亀山第1はアップルが生産設備の投資の半分を負担している。シャープはアップルへの高い依存度がリスクとされてきた。販売先が広がり収益の安定につながりそうだ。
 シャープは2014年からアップルと亀山第1の専用ラインの買収で交渉しており、今回はまず他社への供給について合意した。買収交渉は条件面で開きがあるもようで、まだ決着していない。
 シャープは亀山第1で「低温ポリシリコン液晶」と呼ばれる高精細なパネルを生産している。アップル以外の供給先は大口顧客の北京小米科技(シャオミ)やZTEなどになる見通し。
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 亀山第1は12年にテレビ向けパネルから中小型に切り替えた。投資額1千億円の半分をアップルが負担した。現在はアップルの新型スマホ 「iPhone(アイフォーン)6」向けが好調でフル操業状態にある。だがアップルのスマホ販売が低迷した13年1~3月期には稼働率がほぼゼロとなった こともある。

 シャープの液晶事業は15年3月期に連結売上高で1兆円、営業利益で550億円を見込んでいる。最近はシャオミなどから高 精細パネルや省エネ型パネル「IGZO(イグゾー)」の受注も好調という。生産性が高い亀山第1を活用することで、世界で急成長する中国のスマホ大手との 取引を拡大できる。

 シャープは14年にアップルに対し、亀山第1の生産設備を購入する意思があることを伝え、現在交渉を進めている。