シャープはテレビ事業の業績悪化を受け、海外拠点閉鎖や売却も含めた生産再編を検討する。同社の2015年3月期連結決算は、当期損益が2年ぶりに赤字再転落となる見通し
テレビや電子デバイス、液晶事業などの業績悪化で、国内外の複数の関連工場で資産価値を引き下げる減損処理を迫られるのが要因。テレビは国内組立工場に加え、北米市場向け大型テレビを担うメキシコ工場などでも減損処理が余儀なくされそうだ。
にほんブログ村 ニュースブログ ITニュースへ
にほんブログ村


 海外テレビ工場はメキシコ、マレーシア、中国・南京にある。それぞれ2年前の経営危機段階で売却が検討され、複数社と交渉した。だが価格など条件面が折り合わず、市況の変化も手伝い自社で継続活用中。唯一、売却できた欧州拠点は地場メーカーが相手。
 今月から買収先がシャープブランドのテレビを生産・販売し、ライセンス収入を得ている。残る海外拠点も同様のスキームが想定できるほか、事業や展開地域の選択と集中が議論される。
 現段階で15年3月期の営業利益は従来予想の半分の500億円前後、当期損益は300億円の黒字予想が一転し、最悪想定では300億円前後の赤字になるとみられる。
 事業面では見通しが狂ったテレビや電子デバイス、液晶事業だけでなく、営業損益の赤字・黒字を問わずに全事業で戦略を練り直し、新たな再建計画を3月中にも固める。