昨年から噂ばかりが先行していたアップル・ウォッチがいよいよ明日、9日に発表される。米カリフォルニア州クパチーノで行われるアップルの発表イベントを前に、米国の主要各紙でも報道に熱が入り始めた。3月8日付の USA Today 紙はアップル・ウォッチも「腕時計の座を奪回できるか」と題して取り上げた。
 同紙は、アップル・ウォッチの登場が時計業界にもたらす影響の可能性として、クオーツ時計の出現で業界がかつて、大きく変わった事を指摘。さらに、1969年のクリスマスにセイコー  が世界で初めてクオーツ時計「アストロン」を登場させ、手巻式から時計の主役の座を奪ったことに同紙はなぞらえた。
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 その後、クオーツ時計の出現によって打撃を受けたスイスの時計産業は、スウォッチが時計にアートや美的感覚を与える事によって若い世代に複数の時計を持つという文化を根付かせ、スイス時計を復権させた。

  アップル・ウォッチも同じように新しい文化で腕時計の座を奪還しようとしている。同製品は、アクセサリーとデータオプション込みで450ドル(約5万 4000円)のアルミケースのスポーツタイプか、650ドル(約7万8000円)のサファイア付の中間価格帯の機種のモデルをラインナップ。加えて、金 ケースの7500ドル(約90万円)も用意されている。

 スイス時計業界は、このアップル・ウォッチの出現について、静観の姿勢を維持している。過去にセイコーのクウォーツ時計やタイメックスのデータリンク(マイクロソフトと共同開発)の影響を受けたが、それでも高級時計路線でしっかり生き抜いて来ているからだ。

 ただし、世の中のインフラの進歩は当時の状況より数段早いテンポで変化している。インターネットの急速な拡大、クラウド・コンピューティングの普及、デバイスの革新などがそれだ。アップルが携帯電話で起こした「大変動」を時計でも起こせないとは誰も否定できない。

  時計の全世界販売数は毎年2%減って2019年の7億5000万個が2014年には4億4000万個に縮小したものの、スイス時計を中心に高級品の販売は 好調だ。売上ベースでは2013年の620億ドル(約7兆4400億円)が2018年には820億ドル(約9兆8400億円)に拡大すると予想されてい る。