2015年、偏光板市場は前年比0.9%増加した104億ドルと予想され、2019年まで年平均0.8%の成長にとどまると見込みだ。一方、2015年、偏光板の面積市場は前年比7.5%増の4億2850万平方メートルと予想、年平均5%の成長率を維持、2019年には5億平方メートルに至ると期待している。
このような面積市場の成長はUHD等プレミアムTV製品の成長とブラジル政府のTV補助金制度、スマート危機の大型化の影響があったと見られている。
2014年下半期の見通しでは、需要の増加、特に大型TVパネルの成長と偏光板キャパ不足による懸念で偏光板の平均価格下落が冷え込んだ結果、2018年までの金額ベースの市場が年平均4%の成長を維持すると予想していた。
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2014年下半期、偏光板の生産キャパは実際厳しくなり、多くのラインがフル稼働をし、メーカーの売上げと利益も増加した。このような好調により、LG化学, SDI, CMMT, SAPO, Sunnypol等の偏光板メーカーが2016年に新規ライン稼動の計画を発表した。とりあえず、偏光板供給不足は解消できると見られる。しかし、市場の状況は常に予想通りにはいかない。
もし予想通りパネルの需要が成長しなかったり、他メーカーが増産すると偏光板の供給過剰が起こる恐れもある。このような供給過剰で偏光板の価格下落が激しくなる可能性もあるため、慎重な見通しと分析が必要だ.  

偏光板は他部品と違い、高額の投資費用が必要である。2016年以降、新規投資のほとんどは中国で行われると見られるため、敷地から建築、あらゆる新規投資が必要で、結局それは減価償却への負担に繋がる。偏光板の供給量が需要より多くなり、同時に価格下落が激しくなると、減価償却で原価競争で勝てなくなる可能性もある。
又、本格的な価格競争が始まると市場の強者である日東, LG化学, 住友との競争から避けられないため、2016年、17年のパネル市場の適切な予測と原価競争力を維持させる方法等の検討が必要になる。

部材フィルムについては、オープンセルビジネスの増加で耐久性の高いアクリルフィルムとCOPフィルムの採用が増加し、サムスンSDIで生産しているPETを使った偏光板も採用が継続して増加している。IPSモードの採用拡大と薄型偏光板の決定板とも言える日東のレジンPVA偏光板の採用開始が今後の偏光板部材フィルムの市場に変化をもたらすと見られる。