タッチパネルに使用されるITO(Indium-Tin Oxide/インジウムとスズの酸化物)フィルムは、ITO膜とポリエステル基材の間に、センサパターンの可視化を防ぐインデックスマッチング(IM)層が必要となる。
このIM層の設計は、先行メーカーがデファクトスタンダードを握っており、後発メーカーにとって参入障壁の高い市場になっている。
しかし最近になり、IM層付きのハードコートフィルムを供給するメーカーが登場し、参入状況にも変化が生じている。


このケースでは、コーティングメーカーが光学設計を行い、IM層が塗布されたハードコートフィルムを供給する。
IM層付きのハードコートフィルムが供給されることにより、タッチパネルメーカーはスパッタリング装置の投資のみでITOフィルムの生産が可能に
なる。結果、中国市場を中心に、ITOフィルムからタッチモジュールまでの垂直統合が進む見通しである。